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2006年5月27日 (土)

NDI 石井賞

日本非破壊検査協会から「石井賞」をいただきました。

「石井賞」というのは、元東京工業大学教授石井勇五郎先生の発案で、非破壊検査技術の創意工夫・発展に功績のあった人に与えている賞です。

そういう賞があるのは知っていましたが、まさか自分がもらえるとは思っていませんでした。

Ishiiaw 素直に嬉しいです。技術の分野にかかわっているものとして、その分野で認めていただけたことに感慨深いものがあります。いただいた純金のメダルは、生涯の宝物です。

一人の失業者として、有効求人倍率0.24でろくな仕事がなくて困っていたとき、苫小牧市の職業安定所のカードに書いてあった「非破壊検査技術者」の文字を見て「????? なんだろう?」と思ったときから、ちょうど25年になります。失業者からその分野に紛れ込んだ「変な奴」も、暖かく迎え入れてくれている日本非破壊検査協会(JSNDI)の諸先輩と仲間に感謝します。

非破壊検査に携わっている卒業生諸君。頑張っているといい事もありそうだぜ。

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2006年5月20日 (土)

ダ・ヴィンチ ブリッジコンテスト

Da_vinciトラスの軸力計算を最初にしたのはレオナルド・ダ・ヴィンチだという情報を以前に書きました。こちら。

出典はティモシェンコの「材料力学史(Histrory of Strength of  Materials)」ということでしたので、調べました。邦訳は絶版になっていましたので、Amazonで原書を購入しました。

Da_vinci_truss前書きに記載されていました。その図を見て、なるほどダ・ヴィンチは三角関数の考え方を使ってトラスの軸力を計算していたことを了解しました。

2005bc16 で、これって「つまようじブリッジコンテスト」の最近の優勝作品とよく似ている。頂点の角度も、もちろん載荷点とサポートでの力のかかり方もほとんど同じ。

Tensile_testレオナルド・ダ・ヴィンチが「つまようじブリッジコンテスト」を見たら、なんと言うのだろうか、なんてね。「まだまだ甘いな」てところかな。

レオナルド・ダ・ヴィンチは、左の図のような装置でワイヤーの引張試験もしていたのですね。

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2006年5月14日 (日)

螺旋飛行

 螺旋で遊んでいるサイトに、夏に火に飛び込んでゆく虫の飛行と、航空機のADF(Automatic Direction Finding )という航法計器の話をアップしました。こちらをクリック

Adf2 左の図は、私が作った航法計器を理解するためのソフトウエアの画面から作りました。巨大な飛行機を飛ばしています(笑い)。

 この飛行軌跡が等角螺旋(対数螺旋)になることが分かれば、対数螺旋の性質がより鮮明に分かると思います。

 昆虫の複眼の構造が、ADFの機能と精度を確保できる構造になっていそうだ、という話などを、おいおい追加していきます。

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2006年5月10日 (水)

コンピュータでお絵かき

子供のころ、画家になりたくて一生懸命絵を描いていた時期がありました。

高校生のころ、デッサンをやってみると、立体を平面に描くとどうしてもゆがんでしまいました。まぁ、デッサン力がないということでしょう。画家や美術教師になる夢は、そこで捨てました。

Turbofanengines_1 数年前、ある学生に「面白いですよ」と勧められて、「Shade」をはじめました。これは面白い。はまりましたね。教材をいくつか作っています。絵を描くという、忘れていた喜びが甦ってきます。これに没頭できたら、どんなに楽しいだろう。

旅客機に搭載されているターボファンエンジンのカットモデルです。アニメーションにしてみました。絵をクリックしてみてください。

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2006年5月 7日 (日)

黄金比 調べること

 オウムガイの螺旋に黄金比があるというのは「ガセ」であることを書いて(「自然の中の黄金比」)から1年間たちました。久しぶりに「黄金比 オウムガイ」や「黄金比 自然」で検索すると、少なくなっていましたね。数学のページでも微妙に書き換えてありました。先生たち読んでくれたのかな?

ただ、「ダ・ヴィンチ・コード」の記述を鵜呑みにして「不思議だ」とか「神秘だ」とか書いているページはたくさんあるようです。

調べてみれば良いのですが、調べて違っていてもまだ信じたい人たちもいるようです。「自分の体が標準ではない」とか「厳密に計ればそうなるのかもしれない」とか自分の調査の結果を否定してあくまでも信じようとするのは、私から見ると不思議な感覚です。出てきた事実にこだわり、そこから自分の頭で考えるのが、科学とか技術の原点でしょう。

中学生が黄金比について調べたレポートが公開されていました。茨城県阿見町朝日中学の女子生徒2名のレポート「黄金比は美しい?」です。調査も面白いし19枚ものレポートをまとめる力もなかなかのものです。

調査の中で、黄金比の長方形を含む6種類の長方形を示して、「美しいものを選んで」というアンケートをとっています。3年生女子を除く、1年生から3年生の男子も女子も22~29%の間になったそうです。3年生女子は、38%。さらに先生に同じアンケートをとると、63%になったそうです。

17%が1/6ですが、黄金矩形の配置は、配置によって選ばれやすい位置にあるので、20%代前半は、それが意味があって選ばれたとはいえないでしょう。面白いのは「黄金比は美しいはず」という予見があると思われる「3年女子(調査者の所属する集団)」と先生では、黄金矩形の選択率は高いということです。

そこからの彼女たちの評価は、「やはり先生方は、中学生より歳を重ねているだけあり形を見る目が違う」というものでした。黄金比の四角形に美しさを見出さなかった集団を「未熟」と切り捨てています。どうしてだろう。子どもの目のほうが正直なのではないのかな?

少なくても彼女たちの調査が明らかにしたことは、「黄金比の四角形が美しい」と感じる感覚は、経験や年齢とは無関係に自然にかつ普遍的に人間に備わっているものではない、という事実なのです。

また、彼女らは、身近なものにある黄金比を調べていっています。比が約1.6になるものをたくさん挙げていますが、ほとんどが人工物。自然のものは、教科書に載っていたという「蝶々」ひとつだけでした。彼女らの調査のきっかけとなった先生の言葉の中に「自然の中にもある」となっていたのに、なぜ自然物はリストアップされていないのでしょう。

私は想像しています。調べたけれどなかったのだろうと。だとすると、中学生君にあえて言いたい。「ないというデータも貴重なデータですよ」「あなたたちの調査データを素直に読むともっと面白いことが分かってきそうですよ」

先生にも言いたい。調べもせずに「黄金比は自然の中にもある不思議な比」というような非科学的な嘘は謹んでほしいものです。また、生徒の調査に予断を排して向き合ってほしいです。

裸の王様は黄金の服など着てはいないのです。

先生のいうこと、エライ人がいうことを、「必ず正しいはず」と鵜呑みにしないこと。本当かどうか調べること。予想したものと違った結果が出たら、前提にしたことから見直すこと。そこにあたしい発見がある。がんばれ中学生。

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追記

この黄金比は,人間がつくり出したのではなく,自然界にも多く存在し,科学的な理屈だけでは証明できない神秘的なものである。」と書いてある中学数学の指導案(このページの「少人数指導事例」と「指導案黄金比」)もあるのです。数学の先生、調べもせずに簡単に科学を投げ捨てて「神秘」を語らないでください。先生の思考方法の非科学性を表現するものでしかありません。しっかりしてください。頼みますよ。

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2006年5月 4日 (木)

ダ・ヴィンチ・コード オウムガイ 黄金比

「ダ・ヴィンチ・コード」が映画になって近日公開されるようですね。私も、小説は最後まで読みました。この調子だと、映画も見に行ってしまうのかな?

DaDa Vinci Code Special Illustrated Edition」を購入しました。これは、いいですね。装丁も豪華だし、写真も綺麗。章の区切り方も洒落ている。私が購入したときは3000円を切っていました(今日は3555円)。英語の勉強にでもなるか、と思って買いましたが、見るだけでもおだやかな気分になります。

休日の昼下がり、ロッキングチェアーに揺られながら、のんびりページをめくる・・・・そんなときの本に良いかもしれません。(ロッキングチェアーものんびりした休日もないのが悲しい)

Ngr 以前にも書きましたが、オウムガイにある螺旋に黄金比はあるか、という話題。

Special Illustrated Editionには、オウムガイの殻の断面写真が掲載されています。私がこれまで見てきた断面写真の中では、色合いも切断の仕方もとても綺麗なものです。早速、螺旋を調べるソフト「Spiral」で調べてみました(赤い線)。対数螺旋の定数bは80.4(度)でした。やはり黄金比とは関係がなく、これまで調べたオウムガイの対数螺旋の範囲内です。図の中で黄色い線の螺旋は、黄金矩形に沿う螺旋です。明らかに違いますね。

Da Vinci Code Special Illustrated Edition」 に掲載されているオウムガイの写真は、The National Alliance of State Science and Mathematics Coalitions (NASSMC)という米国政府が絡んでいると思われるサイトに掲載されている写真を水平方向に反転したものです。

そしてその解説には、こう書いてあります。

Nautilus Shell - This tropical sea-shell is an example of a logarithmic spiral that expresses the golden rectangle which is a rectangle in which the ratio of the length to the width is the Golden Ratio (a number approximately equal to 1.6180339887498948482).

早とちりしそうな微妙な文章ですね。オウムガイの殻は対数螺旋の一例であり、対数螺旋は黄金矩形をexpressする、というわけです。

情報のリテラシーという観点から「自然の中の黄金比」を見ていくと面白いかもしれません。

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