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2006年9月10日 (日)

パルテノン神殿のマルチドラム柱

マルチドラム柱(multidrum column)というようです。興味が尽きません。

ドラムの中心付近にあるあえて面を粗くしたエリアの目的はなんだろうか、疑問を書きました。

北川成人さんからメールをいただきました。次の論文を紹介していただきました.。

Earthquake analysis of  multidrum columns”(なぜかリンクがうまくいきません。Googleで論文タイトルで検索すると1番で出てきます。)

Parthenon_image1_1日本語で書いてあっても難しそうな論文ですが、注目は4ページ目の図です。真ん中の四角い穴に入れるパーツが詳しく図示されています。単純な四角柱ではなくて、3つのパーツで構成されています。

the drums of columns were connected with a wooden system that consisted of the pole and the two empolia.

そのままコピーして載せるとまずいかもしれないので、CGで描いてみました。

これは、軸と軸受(すべり軸受)に見えます。これでは、横にずれるせん弾力への抵抗にならないのは、明らかでしょう。

組んだあとか組み上げる過程で回す必要があったと考えられます。目的は何でしょう。

*横の溝の位置あわせ。(これは組み上げてから削ったということらしく、違うようです)

*ドラムの上底と下底の平行度を微調整するため

上底と下底の平行度の誤差が同じ方向に重なっていくと柱は垂直からずれていき傾くでしょう。

北川さんに紹介していただいたこちらのページにはこんな記述があります。

In many classical temple columns, wooden dowel-like components called empolia were used between adjacent column drums. The empolia were used at the center of a column to simply assist in aligning the column drums during erection; not to provide shear resistance.

せん断力への抵抗ではなくて、垂直に立てるための面あわせが目的だった、ということです。

先の地震論文の中から、

Figure 2 (bottom-right) shows the two wooden empolia that were installed flush with the interface of the adjacent drums together with the cylindrical pole that was made of harder wood.The dimensions of poles and empolia vary according to the scale of the column.

(中略)

The pole was usually fixed at the top drum which upon erection was rotated with respect to the bottom drum in an effort to achieve the best possible contact .The role of the wooden poles was primarily for rotating the drums . not to provide a shear link between them.

北川さんが訳してくれました。

図2は二つのエンポリアを示している。二つは、隣接するドラム(つまり上下のドラムです)の接する面(インターフェイス)を面一にする(flush with)ために取り付けられている。エンポリアよりもさらに丈夫な木でできたシリンダー状のポールが上下のドラムをひとつにする。ポールとエンポリアの直径は円柱の大きさにより変化する。

ポールは普通、上部のドラムに取り付けられていた。
円柱立ち上げのとき、一番よい接触を生むように注意深く下のドラムに向かって回転させた。木製ポールのまず第一の役割は二つのドラムを回転させることであって、両者間にせん断線を提供することではない。

なるほど、よく分かります。

そうすると中央部の面の粗いエリアは、次のように推測できます。

載せてから、ずれないようにするためには表面の粗い部分が必要だった。粗い面がかみ合って摩擦係数を大きくして、ズレがおきにくくする。しかし、その抵抗を大きくするために全面に渡って表面を粗くすると、面合わせのために回そうとすると抵抗が大きくて回せなかった、そこで中央部の限定されたエリアにした。

どうでしょう。

271828 さんが教えてくれたクレーンの絵と写真、コメント欄ではクリックではつながりませんので、ここに載せます。その後私が見つけたものも載せます。

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にほんブログ村 科学ブログへ半日トップでした。もう続かないかな?

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