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2006年12月31日 (日)

青磁貫入に虹

おお!この年末に入って科学ブログ村ランキング1位ですよ。この大晦日、最後のゴールこのまま1位で駆け抜けたいですね。

にほんブログ村 科学ブログへ ←ということで、ありがとうございます。ぽちっと一発。

2月からブログをはじめました。今年は、仕事や近所づきあいを離れて、色々な方とWEBを通して知り合いになりました。8月以降は、WEBで知り合いになり直接会って話をした人が2桁を超えています。いやいや面白い。

Seiji11 最後の話題が虹でした。3月に韓国へ旅行をしたときに購入した青磁、この写真に虹を見つけました。当時デジカメがなかったので、スキャナーで写真を撮って公開していました。その一部に「虹」。拡大して、コントラストを少し調整しました。

ちょっとシュールかも・・・。

続きは、今年一押しの画像と人気ページベスト5です。

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2006年12月30日 (土)

虹は七色?

注文していた正月に読む本が今日届きました。その中で、15分で読み終えたけれど久々に眼からうろこの本があリました。

Cimg0748 板倉聖宣著「虹は七色か六色か」(仮説社)です。271828さんに教えてもらって購入しました。

スペクトルは連続しているのだから、どこで区切るかなんて人それぞれ、という話ではありません。米国では六色と教えられるようです。民族の繊細さという話でもありません。

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2006年12月29日 (金)

超音波の定義(2)

JIS Z 8106:2000 「音響用語」を手に入れました。」(当初8106を誤って2300と書いていました。訂正しました。)

「超音波音 可聴音の上限周波数(およそ16kHz)以上の音響振動」

超音波ではなく超音波音です。対応する英語も、「JIS Z 2300」が「超音波:Ultrasonic wave」に対して「JIS Z 8106」では「超音波音:Ultrasound」です。

非破壊検査の分野では超音波はUltrasonic waveですが、医学の超音波検査ではUltrasoundです。

えっ!なにが違うのという感じです。同じStressを機械工学では「応力」というのに対して土木工学では「応力度」というのに事情が似ているのでしょうか?

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2006年12月27日 (水)

超合金 単結晶

超音波から超合金の話題になりましたので、単結晶タービンブレードの紹介です。

Scb 燃焼ガスにさらされ遠心力で引張られるタービンブレードは、クリープ破壊の危険があります。クリープ破壊は結晶粒界に生じるボイドから始まります。そこで引張応力と直交方向に結晶粒界をほとんどなくする一方向性凝固のブレードが作られました。細長い巨大な結晶です。

さらに、結晶粒界をなくしてしまう=全体をひとつの結晶とする単結晶のブレードが作られています。

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2006年12月25日 (月)

超音波の定義

超音波について『聞くことを目的としない音』が、公的な定義としてあるのか否か調べていますが、いまのところ見当たりません。

Niwa1 しかし、丹羽登著「超音波計測」(昭晃堂)に左のような記述があるのがわかりました。

超音波を使った計測のバイブルのように扱われている本です。筆者の丹羽登氏は、元東大教授で日本非破壊検査協会(JSNDI)の創始者の一人であり、元会長でもあります。

でもやはり言わなければなりません。「丹羽先生、間違っています。」

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2006年12月24日 (日)

カムイロケット 遠い空の向こうに

カムイロケットが打ち上げに成功しました。上空1000mまで上がって、衛星の切り離し実験にも成功したようです。固液ハイブリッド燃焼 ロケットエンジンの実証実験として第1弾というところでしょうか。

このニュースで注目なのは、これが単なる実験ではなくて、対価を得ての打ち上げだったということです。儲かったかどうかは知りませんが、ロケットが売れたのです。カムイロケットは安全と安価が売りのようですから、ひとつの扉を開いたことになるのでしょう。

このニュースを聞いて思い出すのが、映画「October Sky(遠い空の向こうに)」 です。

「ウエストバージニア州の炭鉱町に住む高校生のホーマーは、3人の仲間とロケットを作り始める・・・。」

最後の場面で、ロケットが雲を突き抜けて打ちあがります。

後にNASAの技術者になるホーマー・ヒッカムの実話を基にして、ロケット作りに夢中になる少年と、炭鉱夫として生きる父親との葛藤を描いていて、泣かせる映画です。最初見たとき、私の眼は主人公ホーマーでしたが、最近は父親の眼になっています。父親役がいい味出しています。

かつての炭鉱町赤平、常識的には無謀のように見える宇宙への夢を追う一群の人たち。そこにただならぬ気配を私は感じるのです。

追記:カムイスペースワークスのブログを見つけました。こちら

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2006年12月23日 (土)

公園の超音波ブランコ

必要があって改めて「超音波とは何か」を調べています。なにをいまさら、という感じですが、調べてみると結構驚きます。

こういうものはまずJIS(日本工業規格)での定義から・・・。

「超音波 周波数が20kHz以上の音波」(JIS Z 2300)

あっさりとしたものです。私もこの理解でした。20kHz程度が人間の耳で聞くことのできる限界。音波という物質中を伝搬する振動を、周波数で区別して「超音波」「可聴音」「低周波音」と呼ぶ、と理解していました。

Sig ところがこの定義は狭義であって、広義の定義では『超音波とは聞くことを目的としない音』というのがあちらこちらのあることに気づきました。たとえばこちらこちら。WEB上にあるだけではなく、技術を解説した文献にも同様な記述がありました。

えっ!「聞くことを目的としない音」ならば可聴音領域の周波数でも「超音波」??それはないだろうと思うのです。

窓から2m先に首都高速がある東京の某ホテルの4階の部屋、あそこで夜通し聞かされた騒音、あれは超音波ですか?トラックの運転手も道路公団のお役人もホテル側も、もちろん宿泊客である私も「聞くことを目的とした音」では絶対にありませんでした。

で、もう少し突っ込み。超音波の利用技術は広範に進んでいるといわれています。その中の「超音波カッター」や「超音波歯ブラシ」、これらはどう見ても波として伝搬しているわけではなく、20kHZ以上の振動を与えているだけです。それらの製品の効果を云々するものではありません。でもこれも「超音波」でしょうか。

Koen 周波数が低くても「聞くことが目的でなければ」超音波、振動だけでも超音波、とすれば公園のブランコも立派な「超音波ブランコ」になりませんか?

明らかに「ウルトラ」のインフレーションが起きています。「超」は語感が良いですから、商売上ネーミングに使いたくなるのはわかリます。でも技術や科学に携わる者は、それに追随してはいけないと思うのです。

私はウルトラマンの世代ではなく、幻探偵・鉄人28号・鉄腕アトムの世代です。

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2006年12月22日 (金)

ロケットエンジンLE7

出張から帰ってきました。石川島播磨重工航空宇宙本部瑞穂工場と三菱重工名古屋誘導推進システム製作所を訪問してきました。

Sky 興味深い話はいっぱいあるのですが、ここで書けることは限られます。面白いものもたくさん見てきましたが、写真撮影は禁止でしたのでありません。機上から撮影した1枚です。

どちらの工場でも、私が歩いているとあちらこちらから懐かしい顔が近づいてきました。短い会話や眼差し中に、仕事や今の生活に対するそれぞれの覚悟が伝わってきて久しぶりにいい旅でした。

各職場で非破壊検査を選択してがんばっている卒業生にたくさん会えたのも嬉しかったです。IHIで超音波をやっているS君、忙しそうだったけれど、すれ違い際に元気な笑顔と会釈。MHIでは、ジェットエンジンやロケットエンジンの超音波探傷をしているIくんとは少し長く話せました。語り口のいきのよさが気持ちよかったです。

現場であったH君は蛍光浸透探傷検査の担当だそうで、飄々とLE7の検査をしていました。HⅡAロケットの打ち上げが成功した直後でしたが、すでに次や次の次が準備されていました。

元気がよみがえってきました。

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2006年12月19日 (火)

超音波による虚像

クマさんによるこのコメントを受けて。

64e2m18w_ref_1 フェイズドアレイを始めとして、超音波探傷の結果を分かりやすい断面表示にする技術は開発されいます。

Usk でもまだ主流は基本表示(Aスコープ)での探傷です。

医学の世界での超音波検査では早くから画像化して画像診断が行われています。でもクマさんが言われるように、これもちょっと見た目では分かりませんよね。

画像化することは、広域的に直感的に判断するのに有利です。あまり勉強をしていない素人でも分かりやすくなるようにも見えます。

Sidelobe1 こちらのページにありますように、医学での超音波診断でも虚像が出ます。サイドローブによるアーチファクトというのが良く出るもののようです。金属ではエッジの回折波も出てきます。

医学の「超音波検査」の教科書を読むと、基本の勉強(例えば超音波のビームについて)が重要だが、おろそかにされがち、と書いてあります。

素人にも分かりやすくするために、虚像を表示画像にでないように処理することも可能でしょう。しかし、そのことによって必要な情報が削除される危険が出てきます。勉強をして訓練をつめば、虚像がむしろ正確な判断の助けになるケースもあります。

私は、超音波探傷の画像化は素人に分かるようにという方向ではなく、訓練を受けたプロの判断を助ける方向になるべきだと考えています。現実には、一知半解でワガママな施主を説得しやすい画像化に向かうんだろうなぁ。

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2006年12月18日 (月)

宇宙ステーションのトイレ

毛利衛さんが、地球を回る衛星から「宇宙授業」として水の表面張力を取り上げたのを憶えていますか?無重力空間では水は表面張力によってその表面積を最小にしようとして球になる、というものです。こちらに動画があります。動画

液体と固体の表面張力を利用してきずを見つける非破壊検査方法がありますが、今日は別の話題。

この授業を見て私は、小便をうまくしないと黄色い球が飛び交うだろう悲惨な光景を、思い浮かべてしまったわけです。宇宙ステーションのトイレはどうなっているのだろう、そんな疑問が頭をもたげました。

Meal1 苫小牧市には本物の宇宙ステーションがあります。旧ソ連の宇宙ステーション「ミール」の予備機が、苫小牧市科学センターに展示してあります。

Meal で、左の写真が宇宙ステーションのトイレです。無重力だから便座はなくてよいようです。穴が大便器、手前の黄色の漏斗状のものが小便器です。いずれも空気で吸引するようです。飛行機のトイレでは少量の水と吸引空気で吸い込まれていきます。それに近いのでしょう。オーッ、なんといえばよいのでしょう。

水分は電気分解されて、水素と酸素に分けて再利用するのだそうです。

明日から出張です。石川島播磨重工と三菱重工の航空宇宙部門を訪問します。ホテルでブログが更新できるでしょうか。

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2006年12月17日 (日)

カムイロケット新会社設立

今朝の北海道新聞に、植松電機の植松務専務と永田北大教授が協力をして、ベンチャー企業「株式会社カムイスペースワークス」を植松電機内に設立したという記事が掲載されていました。

永田教授の固液ハイブリッド燃焼のアイデアを植松氏が支援するかたちで進められてきた「カムイプロジェクト」は、北海道ではいくつかのメディアで紹介されて有名です。

植松電機には来春卒業する学生が1人お世話になることになっています。学生の捨て身の気迫が通じたようです。(御礼の電話をして「学校として必要な書類があれば送ります」といったら「何も要りません」と言われてしまいました(笑))

先日、三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所の方が来校されて、その中のお一人が植松専務と同期で友人とのことでした。来週名古屋のMHIさんを学生とともに訪問します。その方が担当される低速風洞・超音速風洞も見せていただけることになっています。(私は別のほうに回るため見ることができませんが・・)学生たちは、10月にJAXAの風洞を見せていただいている(1,2)ので、繋がりが出てきて面白いと思います。将来自分の仕事になる学生もいるかもしれません。

若いっていいなぁ、などと爺くさいことを言っていないで、前を向いて頑張ろうト。

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2006年12月16日 (土)

「応力拡大係数・・」ソフトの注釈

3月に「応力拡大係数と破壊靭性値を理解するソフト」公開していました。特殊な分野なので、見る人もほとんどいないだろうと思っていました。

しかし、「応力拡大係数」をGoogleで検索すると、2番目に現れて、このブログの記事の中では黄金比の記事に続いて訪れてくれる方も多いようです。

ほとんど自分のメモのようなソフトウエアですので、何の解説も注釈もつけていませんでした。「注釈を入れておいたほうが良いかもしれない」とのアドバイスもいただきましたので、少し書きます。

1.これでなにが分かるのか

応力拡大係数というのが、き裂先端近傍の応力場(応力の分布の激しさ)を表しているのだということです。部材にき裂があると強度は低下する、ということは多くを説明しなくても直感的に理解できることでしょう。では、どの程度になるのかというと、応力だけでなくてき裂の長さが関係しそうだ、ということも容易に想像できます。

Sfi3 き裂の存在を無視して求めらられる応力とき裂のサイズによって決まるき裂先端近傍の応力場を、イメージとして表示できるようにしてあります。この応力場の激しさ(これを係数として簡潔に表現したのが応力拡大係数)の程度によって、破壊するかしないかが分かるということです。

Sif2 左の図で、赤い曲線は応力拡大係数の限界値です。この線を越えると、き裂が急速に進展して破壊に至るということです。画面の上方に、応力場をカラースケールで図示しています。あたかも線香花火の火の激しさのようです。この線上では、き裂のサイズも応力も異なりますが、応力場の激しさは同じになります。

なんだそれだけのことかと感じた方、そうですごめんなさいそれだけです。このことをクリヤーにしたかったのです。

Sfi4この応力場の表示は厳密解とはずれがあリます。どこがずれるかというと、き裂の最先端とき裂から遠く離れたところ。左の図では、xがゼロに近いかaに比較して大きい範囲では大きくずれます。応力拡大係数が破壊靭性値になる前に壊れる場合も起きるのです。

  

                                     

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2006年12月15日 (金)

デジカメコール

今日は娘の12歳の誕生日。いつもより少しはやめに帰宅すると、「デジカメ、デジカメ」のコール。

061215 ケーキを手作りしたから撮ってほしいとのことでした。チョコレートイチゴケーキ。

お料理接写モードで撮影。

ケーキも料理も自分で作って、娘は嬉しそう。定番の歌を合唱してささやかな誕生会でした。

息子は、デジカメのSDカードを取り出して、ニンテンドーWiiでケーキの写真に落書きをして楽しんでいました。

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超音波探傷の先端

卒業生が訪ねてくると、いろいろな情報を教えてもらえます。昨日も、非破壊検査機器メーカー(GEインスペクションテクノロジー)に勤める卒業生がやってきました。

ここ数ヶ月でもドイツ・米国と忙しく飛び回っているようです。フェイズドアレイの超音波探傷器の新製品を持ってきて見せてくれました。

フェイズドアレイというのは、超音波を発信する振動子を小さく分けて、それぞれ振動させるタイミングを細かく変えることで位相制御して、超音波の伝搬の仕方を目的に応じて変えていく新しい技術です。

Pa1 これまで装置1台が数千万円していたのですが、今度の新製品は数百万円のオーダーになるそうです。

現状の超音波探傷のひとつの難点は、表示の分かりにくさです。横軸が時間=距離を表し、縦軸が音圧を表す基本表示(Aスコープ)を理解するにははある程度勉強が必要です。

駆け出しのころ、超音波探傷をやっているところを1時間見ていましたが、なにをやっているのかさっぱりわからなかった思い出があります。

Pa3フェイズドアレイを使った探傷器の一つの機能は断面表示させることです。 まだ、素人が見てすぐに分かる断面表示にはなっていません。超音波の伝搬・反射・回折などの知識があると、なるほどと面白い発見がいくつかありました。

この探傷器にも基本表示が横に出るようになっていました。ここ相当の間、これをなくすわけにはいかないでしょう。

コンピュータ技術の発達に伴って、非破壊検査技術も変化していくようです。

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2006年12月13日 (水)

デジカメで雪の結晶を(4)

できるだけ安い材料でマクロ写真を撮りたいと考えて、まずは100円ショップで購入したアクリル製レンズを使ったところ、接近して拡大画像は撮れるものの、画像はぼけてレンズを使う意味がないことが分かりました。

そこで、レンズがガラス製の虫眼鏡を文房具店で購入しました。480円でした。

レンズ-被写体距離の変動を少なくするために、カメラ・虫眼鏡・フイルムケース・被写体(千円札)の順に配置して押し付けながら撮影をしてみました。

M6t 左の写真は、20%に縮小して全体が分かるようにしたものです。フイルムケースがストロボの光をソフトにする役割を果たしています。

M6p1_1 次の写真は、花の部分をパソコン上で2倍に拡大したものです。2~3mmの花が鮮明に拡大されています。

6mpt 千の字の部分です。メッシュになっているのがはっきりと分かります。1000の字も見えてきています。

このくらいの接写ができれば、雪の結晶を美しく撮ることができそうです。

この虫眼鏡の6倍のガラス製レンズを使い、フイルムケースでレンズの固定とレンズ-被写体距離を固定する冶具を作ることにします。

ブログ上では、縮小したサムネイル画像が表示されています。画像をクリックして確認してみてください。

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追記:「ターバンを巻いた千円札」あっと驚きます。野口さんインドで御活躍かな?

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2006年12月12日 (火)

デジカメで雪の結晶を(3)

デジカメで接写をするには、虫眼鏡をレンズの前に置くと良い、という情報を検証してみました。

Magni 適当な虫眼鏡がなく、帰宅時間でも開いていた100円ショップで四倍という触れ込みの虫眼鏡を購入しました。

これをデジカメのレンズの前において接写をしてみました。カメラの設定は昨日と同じ、マクロモードの「花」。すると、オーッ!接近してもピントが合います。レンズ-被写体距離およそ30mm程度まで接近できます。早速撮影をしてみました。

ストロボを作動させると、「ソフト」を選択しても、ホワイトアウトしてしまいます。「ストロボ発光禁止」にすると、「露出量が足リない」とのメッセージが出ます。そこで、ストロボに上質紙を3枚重ねにして貼り付けて撮影してみました。

Musi 撮影ができました。昨日より大幅に接近した写真(左)が得られました。大成功?

6mf2_1 レンズ-被写体距離80mmで撮影した昨日の写真(左)と、桜の花と「NIPPON」の文字で比較してみます。

昨日の写真のほうが鮮明です。

  

本日の結論、『100円ショップで購入したアクリル樹脂製の虫眼鏡(4倍)を使うと、レンズ-被写体距離を50mm短縮できる。しかし、拡大画像を鮮明にする効果はない。』

試みは、鮮明な雪の結晶の画像が得られるまで続きます。

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2006年12月11日 (月)

デジカメで雪の結晶を(2)

まずは、カメラの性能チェックです。

デジカメで接写をする簡単な方法としては、カメラレンズの前に虫眼鏡をつけるという使う方法があることが分かりました。適当な虫眼鏡を用意してやってみることにします。

今日は、何も道具を使わずに小さなものをどの程度まで写しこめるのかを確認してみました。被写体としては千円札を使いました。千円札の表の「千円」の文字近くに小さな桜の花があります。少し大きめではありますが、これを雪の結晶に見立てて撮影してみました。

「BS(ベストショット)」という選択肢があって、そこから「花」を選びました。「マクロモードになり彩度が高めに設定されています。」との説明がありました。ピントが合うギリギリの接近距離は80mm程度だということが分かりました。6MFという最も解像度が高そう(2816×2112)なモードを選んで撮影してみました。

6mf2 できた写真をパソコン上で2倍に拡大したものが左の写真です。このデジカメでは、ここが限界なのかと思います。でも思いのほか大きな像が得られることが分かりました。

私の視力(0.7)では、とても見えないところ(例えば左上にある縦書きの『NIPPON』)まで見えています。

これなら期待が持てそうです。この5倍程度に拡大できれば、綺麗な雪の結晶が撮影できそうです。

ただ、ピントが少しでも甘くなると当然だけれどぼやけてしまいます。ピンとあわせがポイントになりそうです。

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2006年12月10日 (日)

ターボジェットエンジンのカットモデル

Cimg0535本日苫小牧市科学センターに行く用事がありましたので、ついでにいくつか写真を撮ってきました。

J34turbojet0  ターボジェットエンジンWestinghouseJ34のカットモデルが展示してあります。Westinghouseというの電機メーカーです。GEも、電機メーカーから出発したのでしたね。  

  

仕様

 圧縮機 11段

 タービン 2段

 圧縮比 3.7-4.2

 推力   15kN

J34comp1 コンプレッサーブレードには鋼材が使われています。現代ではほとんどチタニウム合金です。

J34conb 燃焼器はアニュラー型ですが、燃料ノズルが二重の環列状に配置されている珍しいかたちです。

J34tubine1 燃焼器側からタービンを見ています。タービンの静翼(ノズル)が見えています。

J34nozzle 排気ノズルです。2段目のタービン動翼が少しだけ見えています。

これは、うちの学生が内部の構造が分かるようにカットしたものです。安全対策も含めてよくできています。

現在同センターに貸し出しています。

ターボジェットエンジンのカットモデルは、日本ではほとんどありません。予約なしでしかも無料で見ることのできるのはここだけでしょう。

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2006年12月 9日 (土)

デジカメで雪の結晶を

昨日からは気温も下がり、雪も六角形結晶のまま降ってくるものも出てきました。

Snow 10月にスナップ写真を撮るのを目的に、3万円台でデジカメ(CASIOのEX-Z600)を購入して楽しんでいます。雪の結晶を撮影できないか、思いつきで試してみました。

Snow1 マクロモードや高感度モードなど試しましたが、思うようにはいきません。六角形らしきものは写っています。

そう簡単にはいかないことが分かりましたので、今年の冬中にこのデジカメで綺麗な雪の結晶写真を撮るプロジェクトを開始しようと思い立ちました。

今日のは、その第1弾として掲載しておきます。時々このブログでも進行状況を報告します。良いアイデアをお持ちの方、教えてください。

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2006年12月 8日 (金)

人間の眼 視野と立体視

私たちは、普通に目の前に見えるものについて色やかたちが分かるだけでなく、およその距離も分かります。

3d2 左右の眼に映る少しずれた像を脳で判断しているらしいことは、撮影位置を少しずらした写真を眺めていくと立体にみえてくることから確かめることができます。

3d

この立体視は、地球の温暖化とそれに伴う猿の生活パターンの変化によって、進化したもの、とのことです。

「5300万年前「樹冠」が登場したことで、地上に降りずとも、枝から枝へと飛び移り移動することが出来るようになったのです」(Biological Journalより)

飛び移るという行動をとるには、先方までの距離の見積もりが必要になることは、容易に想像できます。なるぼど、ねずみに近い原猿からの進化のによる眼の位置の変遷を見せられると、納得がゆきます。

立体視をするには眼は両方とも同じ前方に向かっていなければなりません。2つの眼がサイドについていれば、広い視野を持つことができ、敵の接近に気づきやすくなります。視野の広さを犠牲にしても、わが祖先は立体視を獲得したのでしょうか。

そんなことを考えていると、回すことのできる首も立体視の獲得とともに必要になったことかもしれない、などと想像が膨らみます。

眼が2つあっても、立体視をしていないということなのですね。ただ、距離はピントを合わせる事でも認識はできます。生物の世界も面白いですね。

Cimg0463 そういえば、新千歳空港の到着ロビーにある水槽で見た巨大魚「ナリスタ(Epinephelus tukula)」のとぼけた眼玉、左右別々に動いていました。私が動いたら、片一方の眼だけが動きに追随しました。立体視はしていないでしょう。視野の広さを優先しているようです。

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2006年12月 7日 (木)

ブラックアイスバーン

この冬2回目の積雪。湿っぽい雪でした。シャーベット状で、美しい雪の結晶などみえません。気温の低下とともに氷になりました。その後、気温が上がり、雨に。気温が0℃を前後を変動する初冬に良く起きることです。

Blackice_1  道路はブラックアイスバーンになりました。オー!最悪の条件。夏タイヤならば、車はさながらカーリングの石状態でしょう。厳冬期よりも交通事故が起きやすい条件です。例年アイスバーンになってあわててタイヤ交換をする人もいますが、今年は降雪が20日近く遅いので、まさか今も夏タイヤの人はいないでしょう。

新たに購入したスタッドレスタイヤの性能を確認する絶好の機会です。周囲を確認して速度を落とし、急ブレーキをかけてみました。もちろん滑るけれど、ABSAnti-lock Brake System) がカンカンカンと作動して予想以上の制動、なかなか良い。でも明日の朝は、余裕を持って出なければ・・・。

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2006年12月 6日 (水)

超音波ビームが解るソフトを公開

超音波は、ビーム状に広がりながら伝搬することが知られています。ビームの形状は、振動子の寸法と波長によって決まります

Ultrasonic_beam 近距離音場と遠距離音場、指向性を理解することを目的としたソフトを作りました。

超音波探傷レベル2技術者の教育のために使うことを想定しています。学習者がストレスを感じない程度のスピードで描画することを第一優先にしました。

そのために、近距離音場について、そのかたち(相対的な音圧の分布)についてはほぼ満足のいくものですが、音圧の値については厳密性が犠牲になっています。

まだまだ改良点がありそうですが、この時点でフリーソフトとして公開します。ご意見等いただければ嬉しいです。

振動子の寸法、超音波の周波数、伝搬させる物質を変えて超音波ビームのかたちがどのようになるかを試してみてください。

ブログを引っ越しました。

ソフトに関してはこちらへお越しください。

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2006年12月 5日 (火)

浸透探傷検査の実際

Ptmiyoshi 非破壊検査の領域で、待ち望んでいた本が発刊になりました。書名は、「浸透探傷検査の実際」(アグネ技術センター)。著者は長年原子力発電所などの検査技術の向上に取り組んでこられ、(社)日本非破壊検査協会の元会長でもある三好滋氏です。

浸透探傷検査は、強磁性体である鋼以外の金属(オーステナイト系のステンレス、アルミニウム合金、チタニウム合金、耐熱合金)の表面に開口したきず初期の疲労割れなどを検出するのに有効な方法です。

毛細管現象を使います。

はけとウエスと洗浄剤・たわしやブラシなど、親しみやすい用具を使う方法もあるために、「簡単な検査」という誤解をする人もいます。

実際には、経験と手わざと判断力が最も要求される検査方法です。中でも、浸透指示を観察してそれが何ものかを判断解釈するには、幅広い知識とともに経験の蓄積がものをいってきます。

実際の検査現場で検査技術者は、きずを検出して基準に従って分類するだけの仕事をしている場合が多いでしょう。「原因調査」はやられない場合がありますし、やる場合でも現場の検査技術者に知らされないことのほうが多いのです。また、「原因調査」をする人は、現場で欠陥が見つけられる様子を知らないこともあります。これでは、年数を重ねて多くの現場を踏んでも、経験は技術として蓄積されてゆきません。

三好氏は、専門である冶金学の知識をベースにして、数多くの現場事例を集積してこられて、講習会ではその一端を披露することはありました。

私は、年に数回お目にかかることがありますので、一般の技術者が参考にできるように出版してください、とお願いをしてきました。「こういうものは文章化するのは難しいのだよ」と言われていました。今回、170枚を超える写真とともに筆者の長年の研究成果がまとめられています。

検査技術者はもちろん、構造物の安全にかかわっている方に、手の届く範囲に本書を置くことをお勧めします。

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2006年12月 3日 (日)

ニンテンドーWiiとタンク火災

我が家にニンテンドーWiiがやってきました。国と地方自治体以外にマイクロソフト帝国とニンテンドー共和国にたっぷり税金を払っています。

Wiic このコントローラー、振り回して、ゲームをするとのこと。子どもたちはへとへとになるまで遊んでいました。

Wii2 私もやってみました。ボクシングでは、パンチの速さを明らかに感知していました。野球では、バットを振るタイミングとスウィングの速さば反映されています。試しにやっているはずなのに、なぜか熱くなってしまいました。

これはどう見ても加速度センサーがついているとしか思えない、と調べてみました。間違いなさそうです加速度センサーメーカーのページ

そういえば、知り合いのひずみゲージと測定機メーカーの方に、つい数ヶ月前に苫小牧にある石油備蓄基地の原油タンクに加速度計をやっとすべて設置し終わった、と聞きました。

2003年の十勝沖地震で、出光興産の原油タンクが大火災を起こしました。我が家は直線距離で2kmしか離れていないので、空が黒い煙が覆い、強烈な臭いにさらされました。

長周期地震によるスロッシングが起きたことが原因でした。その後の対策のひとつとして、加速度計が設置されたようです。

Wiiのコントローラーを使えば、色々な物理実験ができそうな気がします。教材部門に進出なんてことはないのかな?

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2006年12月 2日 (土)

磁気を使う非破壊検査

昨日の記事で、紫外線に当てると紫外線を可視光線に変えて放射する蛍光物質がお札のインクに使われている、という話を書きました。暗闇にそこだけが光りますから、とても目立ちます。

この性質は、見えないもの見えにくいものを見つけることに使えます。何らかの方法で、探したいけれど眼に見えないものの近くにだけ、蛍光物質が集まるようにすればよいわけです。

非破壊試験のひとつである蛍光磁粉を使う磁粉探傷試験を紹介します。次の写真は、その実施例です。ここでは、鋼製の歯車にある割れを見つけます。この歯車には、数箇所割れが入っていますが、われの幅が非常に狭いのと色の違いが無いので、肉眼ではよくわかりません。

Mt調べる鋼製の歯車に、電流を通すための銅棒を刺して、電極の間に挟みます。電流の周りには、磁界が生じます。磁界の中では、鋼製のものは磁化されます。磁化というのは磁石になる、ということです。

Mt1 蛍光物質で包んだ鉄粉を水に分散させた検査液を、静かにかけます。

鉄粉といっても、実際には水の中でも錆びないように、磁石に吸引される酸化鉄が使われています。

Mt3 部品に割れがあると、割れ近くに磁極(N極とS極)ができるます。検査液を静かに流してやると、鉄粉はしだいに磁極にひきつけられて吸着します。紫外線照射灯(ブラックライト)で照らしていると、割れの近くが光り始めます。

Br2_2 航空機では、ほとんど鋼は使われていません。しかし脚(ランディングギヤ)はアルミニウム合金に置き換えることはできないために、ニッケル・クロム・モリブデン鋼が使われています。右の写真は、大型旅客機のランディングギヤ部品に生じた熱疲労割れを、磁粉探傷試験で検出したものです。

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紫外線でニセ札鑑定

Cimg0403 明かりを落として1万円札を紫外線照射灯で照らすと、印鑑の部分が黄色に光ります。また、福沢諭吉さんの右背後ほか数箇所が光ります。もしそうならなければ、偽札です。

インクに蛍光物質が入っています。

Spec 人間の眼に見える可視光線は、波長が400~800nmの範囲にある電磁波です。400nmより少し波長の短い電磁波は、紫外線と呼ばれて、人間の眼には見えません。

蛍光物質は、紫外線を受けると波長を長くして可視光線の範囲に変えて反射します。暗い環境では、そこだけが怪しく光ることになります。

例えば、お札をスキャナーで画像として取り込んで精巧に印刷したとしても、紫外線照射灯(ブラックライト)ひとつでニセモノであることを見破れます。

お札の印刷技術は、偽札を作ろうとする「技術」に常に先行していなければならない運命にあります。

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