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2006年12月 2日 (土)

磁気を使う非破壊検査

昨日の記事で、紫外線に当てると紫外線を可視光線に変えて放射する蛍光物質がお札のインクに使われている、という話を書きました。暗闇にそこだけが光りますから、とても目立ちます。

この性質は、見えないもの見えにくいものを見つけることに使えます。何らかの方法で、探したいけれど眼に見えないものの近くにだけ、蛍光物質が集まるようにすればよいわけです。

非破壊試験のひとつである蛍光磁粉を使う磁粉探傷試験を紹介します。次の写真は、その実施例です。ここでは、鋼製の歯車にある割れを見つけます。この歯車には、数箇所割れが入っていますが、われの幅が非常に狭いのと色の違いが無いので、肉眼ではよくわかりません。

Mt調べる鋼製の歯車に、電流を通すための銅棒を刺して、電極の間に挟みます。電流の周りには、磁界が生じます。磁界の中では、鋼製のものは磁化されます。磁化というのは磁石になる、ということです。

Mt1 蛍光物質で包んだ鉄粉を水に分散させた検査液を、静かにかけます。

鉄粉といっても、実際には水の中でも錆びないように、磁石に吸引される酸化鉄が使われています。

Mt3 部品に割れがあると、割れ近くに磁極(N極とS極)ができるます。検査液を静かに流してやると、鉄粉はしだいに磁極にひきつけられて吸着します。紫外線照射灯(ブラックライト)で照らしていると、割れの近くが光り始めます。

Br2_2 航空機では、ほとんど鋼は使われていません。しかし脚(ランディングギヤ)はアルミニウム合金に置き換えることはできないために、ニッケル・クロム・モリブデン鋼が使われています。右の写真は、大型旅客機のランディングギヤ部品に生じた熱疲労割れを、磁粉探傷試験で検出したものです。

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