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2007年5月24日 (木)

エキスポランド事故 車軸の取り付け

事故で破断した車軸が、どのように本体に取り付けられていたか、力のかかり方もそれによって決まってきます。

一方向だけですが図面を見ることができましたので、CGを作ってみました。想像の部分があるのと、細かい部分は省略していることをお断りしておきます。

Expo2image1 青色の部分がバギー車本体。車両ユニットを黄緑にして区別付きやすくしています。車軸は、バギー車本体と車輪ユニットを1本でつないでいて、アップダウンやカーブでのレールのゆがみを吸収するようになっています。

Expo2image2 本体側に、車軸は圧入されています。設計上では今回破断した箇所には、大きな曲げ応力はかからないように見えます。(でも破面は曲げ疲労の特徴を示している?)

Expo2image3_1 <エキスポランドの担当者は、当初の記者会見で破断した箇所を車輪ユニット側のねじ部と間違って発表していました。しかし、報道写真の中には、現場で車輪ユニットに車軸がついているのを確認できるものがあります。壊れることを想定していなかったところが壊れた、ここに着目すべきだと思います。

この車軸の取り付けを見て、疲労破壊を心配する箇所に順番をつけるとしたら、今回破断した箇所は何番目ぐらいになるでしょうか。私だったら、この車軸周りに限っても心配なところはいくつも出てきます。どうでしょう。

外側のナットが外れる、あるいは外側のねじ部分が破断したのなら、車軸がレールに引っかかって今回の事故のように大きく傾くことはなかったように見えます。

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コメント

はじめましてSUBALさま
こちらのページに興味と関心を持ち専門用語など索引しながら自分なりに理解をしたいと考えております。
全くの畑違いで機械についてはド素人なのですが、意見を述べさせていただく機会を与えてください。
私は、当該車両(風神雷神Ⅱ)に乗車の経験があります、当該車両は大変横揺れが大きくハーネス(防護用の器具)に顎や頭を激しくぶつけるほどの威力のある横揺れが来ます。
これらの事を私の妄想では今回の疲労の要因は当初引っ張りの応力から始まったのではないでしょうか?
最初にボギー軸をボギー台車に圧入し内側をナットを止め。車輪ユニットを取り付け外ナットで固定する。しか論理的な答えが見つかりませんでした。正しいでしょうか?
となれば曲げの応力を一番受けるのは圧入された軸車体圧入接面ではないでしょうか。ここが疲労で折れるとは考えにくいと思います。
次に軸外側のナット部にも曲げの応力がかかると思います。
ところが折れたのは内側のナット部です。

金属疲労の何たるかをあまり知らないですが、当初引っ張りの応力で発生した亀裂のせいで軸圧入部に緩みが発生し繰り返しの横揺れにより、引っ張りと曲げを伴った複合的な疲労により軸内側ナット部での破断に繋がったのではないでしょうか?
SUBALさまのCGを2日眺めていました。
このマシンの設計上両側ナット締めなのでナット同士で引っ張り合いになるやん!と思っていました。
綱引きの結果弱いほうが一方的に力を受けてどんどん疲労が進んだと言うのが私の妄想です。

かなり的外れな事書いているかもしれませんが何卒お許しください。

また勉強させていただきます。

投稿: 和太郎 | 2007年5月29日 (火) 23時49分

和太郎 さん こんばんは

私のCGに注目していただきありがとうございます。私がCGを公開している理由は、今回の事故での破断箇所が、「この形状なら当然ここが疲労破壊するよな」という箇所ではないと思われるからです。再発防止にも、今後の点検検査にも、今回の箇所が破断するにいたったまだ明らかになっていない原因を究明する必要があると考えています。(コッターピンとナットとのわずかな隙間の緩みが疲労の原因、とかという見解を述べている某大学の先生がいらっしゃいますが、トルクと締め付け力との関係を考えると、私はたわごとと思っています。)

>当該車両は大変横揺れが大きくハーネス(防護用の器具)に顎や頭を激しくぶつけるほどの威力のある横揺れが来ます。

この証言は、ひとつの状況証拠として、もしかしたら貴重なのかもしれません。

和太郎さんの想定の特に後半は無理があると思いますが、「疲労破壊」というだけではなんら原因を説明していないということは、私と共通の認識になっていますね。

投稿: SUBAL | 2007年5月30日 (水) 00時31分

SUBALさん こんばんは
私のような素人にお返事を付けていただいて感謝します。
乗車した感想で付け加えると、このマシンは身長が高いと不利です。150センチ台の女性と180センチを超える男性とでは乗車した感想がまるで違います。なぜならこの機械のハーネスは上下可動式です。身長によりハーネスの高さが変わりGのかかり方が違い私のような身長の高いものに大きなダメージを残します。私の場合、走行中にハーネスが一段下がり猫背のまま振り回され背骨が折れるかのような衝撃を食らい、涙目で降車したことを覚えています。ところが後日乗車してみるとうそのようにダメージがなかったりします。特に先頭車両はダメージが少ないです。よく考えると先頭車両のみ車輪ユニットは4つ付いていますね
こんな事はどうでもいいことなのかもしれません。
しかし、車両の床の部分の鉄板はバタバタの大きな音をして回転部分を通過しますし私が乗ったコースターの中ではダントツに乗り心地悪かったです。

それにしてもSUBALさんの設計図から起こされたCGを拝見して、今回折れた場所を意図して折ってやろうと思っても難しいような気がします。(あくまで素人の直感と申しますか...動物的カンといいますか)
折れるのは外側でしょうね...

投稿: 和太郎 | 2007年5月30日 (水) 22時27分

和太郎さん こんばんは
事故の前に、通常使用時に兆候があったはずです。機械屋さんは、いつもと違う音・同様の機械にはない振動には神経を尖らすものです。
>今回折れた場所を意図して折ってやろうと思っても難しいような気がします。
そうなのですよ。ここが問題なのです。私がCGを作って公開しているのも、この点を問題にしたいからなのです。
ただし、今回破断している箇所のちょっと外側で車軸を支えている部分が緩んでいるとしたら、大きな曲げ応力が今回の破断部分にかかることになるのです。
あるいは、和太郎さんが証言している衝撃を伴う横揺れの繰り返しのせいかもしれないのです。
いずれも、破壊した現物を専門的な観点から見る必要があるのです。
原因次第では、他のジェットコースターの点検箇所も違ってくるはずなのです。
しつこいですが、このことを抜きにして、この情報抜きに全国のジェットコースターの「点検」が行われているのです。ピントのぼけた点検でOKとなって危険を内包したまま運転が再開されて、同様の事故が再び起きないことを祈るばかりです。

投稿: SUBAL | 2007年5月30日 (水) 23時20分

SUBALさん こんにちは
かなり初期の報道で車軸ボルト部の磨耗についてありましたが、折れた車軸ボルト部は0.1mm以上の磨耗があったと言う事ですが、http://www.sankei-kansai.com/01_syakai/sya051202.htm
磨耗の要因としては
①軸直角方向への繰り返しの振動
②軸回転方向への繰り返しの外力による戻り回転など
③軸方向に繰り返しの外力によるもの
要因としてあげればきりがないですか大きくあげれば上の3つだと思います。
事故車両のボギー軸は回転しなくてなおかつ『圧入』されていますので②は考えにくいと思います。おまけにあの車輪ユニットを含め装置全体が軸の回転を求めない構造になっているように感じます。
よくよく図書やネットなどで索引させていただいたりしていると『圧入』とは生易しいものではなくチョットやそっとでは回ったり抜けたりする『はずが無い』と言う答えにたどり着きました。

となると、、、①か③?ですか?
どっちにしても軸が折れるほどの応力を求めようとすると『圧入』が否定されてしまいます。

司直は何のために破面を公開しないんでしょうか?公開するメリットは多大にあると思うんですが。

投稿: 和太郎 | 2007年5月31日 (木) 15時18分

和太郎 さま、横からですが私見を述べさせていただきます。御気を悪くされぬよう。
>よくよく図書やネットなどで索引させていただいたりしていると『圧入』とは生易しいものではなくチョットやそっとでは回ったり抜けたりする『はずが無い』と言う答えにたどり着きました。

現場を見てみると、メンテナンスで圧入をくりかえすと素材の塑性変形で、がたを生じるということがあり、メンテナンス技術者にそれが伝達されていないという問題があります。少なくとも14回 抜きだし/圧入をしているということは、微少な塑性変形による状態の変化があったという『推測』がないとはいえません。だからその固定概念は一寸外すべきとおもいますがいかがでしょう。

投稿: デハボ1000 | 2007年5月31日 (木) 21時34分

和太郎 さん
>軸が折れるほどの応力を求めようとすると『圧入』が否定されてしまいます。
圧入が否定されるのではなくて、圧入することで想定されていた効果がなくなったのだろう、という推測をしています。

デハボ1000 さん
私も、ほぼ同じ考えです。抜き差しでどの程度塑性変形するのか、現物で確認する必要があると思うのです。多分フレームのほうも塑性変形している。この推測が当たっていると、ぞっとする事態が進行していることになるのです。すなわち、毎年抜き取ってまじめに点検したことが、事故の遠因になっているということになるでしょう。現在、まじめにいっせいに点検していることが、次の事故を準備しているのかもしれないのです。設計者は、年に1回の抜き取り点検を想定して設計したのでしょうか。
今朝のNHKニュースでは、安全の徹底をアッピールするために半年に1度の点検検査を宣言する遊園地も現れています。

投稿: SUBAL | 2007年5月31日 (木) 22時07分

デポパ1000さま
はじめまして。
ご指導ありがとうございます。
やはり抜き出し圧入を繰り返すと『ガタ』が来る場合があるのですね...
となるとどんな事でも起こりうると言う事になりますね。。。
仮に変形した素材に同じ圧力をかけても結果は同じとは限らないということに...

投稿: 和太郎 | 2007年5月31日 (木) 22時20分

SUBALさま
デハポ1000さま(HN間違えまして申し訳ないです)
大変ゾクゾクするお話になってきました。
おそらくボギー車体は普通鋼(鋳物のように見えます)ですよね?軸はSMCだから硬度や粘度がまるで違うように思われますのでフレームが都度、圧力を受ける側に塑性変形するのが妥当ですね。理解できました。

やっぱり15年は長すぎますね軸交換すべきでしたね。間違いなく。本当の耐用は5年くらいなのでは無いのでしょうか...

全国のコースターの点検状況が発表されていましたねご存知でしょうが...
うちの母ここのOGなのですが...
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/07/070523_2_.html

私の個人的な希望(ジェットコースターファンとしての)では今回の事故はメンテナンス技術者の単純なミスが主たる原因であってほしいと思っています。

乱文になりました。
おまけに素人の糠付けのような知識で偉そうなこと申し上げてすみませんです。

投稿: 和太郎 | 2007年5月31日 (木) 22時45分

あれ?
ところで設計者が内側でナット止めするような車軸の構造で、繰り返し圧入される事を前提にしないで設計しますかね?
ましてや塑性変形を起こすような降伏点を越えて圧力を受けるような設計(素材の選択)を...(現場が圧を間違えれば別ですが)
と言う事は、私でも、フレーム側の素材にも軸接面にSMCを使用し圧力に対抗しようとするでしょうね。

しかし、本当に皆さんのすばらしい知識、技能、それにかける執念と言いますか...感心いたします。私の本業とは遠く離れますが、顧客の安全を確保するのはプロフェッショナルとしての第一の要件だと思います。そこは通じるところがあります。
今回の事故では尊い人命が奪われましたが、この事を忘れずに私も、仕事をしたいと思います。

投稿: 和太郎 | 2007年6月 1日 (金) 00時40分

私は、これまでの経過から「メンテナンス技術者の単純なミスが主たる原因」ではないだろうと予想しています。

日本の場合、事故が起きると原因を現場の個人的な特殊なミスにしてしまい、普遍的な教訓をつかみ損ねるケースが多いのです。(事故が起きたところの特殊事情だからほかは関係ない・・・とする)私は、それではいかんと思っています。

>ところで設計者が内側でナット止めするような車軸の構造で、繰り返し圧入される事を前提にしないで設計しますかね?

ナット止めをしていることと定期的に取り外すこととは別のことです。
設計者は使用期間中に探傷検査(非破壊検査)が必要になるようには設計したがらないようです。非破壊検査を前提とする設計思想には航空機や航空機用エンジンに適用される「損傷許容設計」というのがありますが、一般の構造物に適用されることはまだ少ないでしょう。たいていは、探傷検査の必要性は後から(事故や不具合の発生を伴って)生じてくるものなのです。
検査屋が現場に行くと、ほんのちょっと設計時に配慮していれば容易に探傷出来るのに・・・と思うことはしばしばです。
今回の「車軸」も探傷のことを考慮した「かたち」には見えません。
それにしても破面の写真を見れば、いろいろなことがわかってくるのですが・・・。

国土交通省の点検結果のまとめを見ました。しかし、何をどのように点検したのでしょうね。ちなみに、昨日朝NHKでやっていた「探傷検査」の映像、私から見ると笑ってしまうほどでたらめでした。やらされたのかなぁ。でも拒むべきだと思いましたよ。

投稿: SUBAL | 2007年6月 1日 (金) 01時36分

自分の昔書いた図面をたまたま引っ張り出したので、今回のことが非常に気になってしまいました。長文をお許しください。
『配置設計』『施工図面作成』を中心にして考えると、時にメンテナンスのことを2次において設計してしまうことは無意識にあります。
それは『現場を見ていない』設計者が、ついぞやってしまうことともいえますし、またメンテナンスということを軽く見ている(誤解を招く言い方ですがこれは「プロ」がするからという設計者意識と、「メンテナンスのプロである」という自尊心がそうさせる場合があります)技術者がいることを意味します。強度設計という意味ではある典拠を持って設計するのが当然ですが、配置設計というところになると種々の設計拘束や工作制限に目を奪われるという経験は私もあります。
初物ならまあそこまでデザインレビューを行うことは普通ですし、このような設備ではある意味それをすることは、常識といえるのです。

ところがこのマシン、類似設計による製品でして、出荷実績が基本設計としてはあったのですよね。だから、開発当時の設計者との思惑との差異があるかもしれませんし、設計経験の差もあるかもしれません。また、その間のメンテナンスの経緯などを「3現主義」で把握できていたか。往々にしてある「実績主義・・・既存部品の実績により」というところに目がいかなかった可能性も否定できません。また設計者のよりどころがそこにしかないという場合もあるのが事実ですし、逆にそれを結果解析してカイゼンにつなげる活動があるのが正当なのですか・・・。従って単なるリバースエンジニアリングをしてしまったという考え方をすることも出来ます。
ただそこを突き詰めると『工学』というものの存在を否定することになります。『学んで生かす』そのためには感情的な論点をあえて横においても精査した調査を出来るだけ漏れなく行うしかないのだと思います。
マスコミの方々には、その感情のみから、突っ走る方もあるなあという気がしておりますし、別件ですが「(この件ではないですが)ある事故の再現試験をやってくれ。」と放送局からねじ込まれた工業大学の教官の嘆きも聞いたことがあり(インタビューのみにしたそうです)そのあたりのウエイトの置き方によって、判断が変って来るなというところを『設計者出身の研究職』である私も自戒しなければならないと思います。
だから、個人を責めるより、事故のメカニズムを明らかにしてからでないと再発するのだと思うのです。長文失礼しましたが検索エンジンで見てみるとあまりにも感情的依存度が高すぎるものが上位に来ているのが、私の倫理観を苦しめたのです。妄言失礼。

投稿: デハボ1000 | 2007年6月 2日 (土) 11時23分

デハボ1000 さん
設計をする側から見た見方を、率直に書いていただきありがとうございました。私は、設計を仕事としたことはありませんが、なんとなくわかります。ゼロからすべてを設計する人はほとんどいないのでしょうね。実績のあるものに依拠して付け加えていく。
そうであればなおのこと、「事故」はある種の警告でもあり立ち止まって振り返らなければならないポイントなのだと思います。(事故が赤信号だとすれば黄色信号か青信号の点滅のうちに立ち止まるべきですが・・・)
今回の事故でも「業務上過失致死」として立件できるかを取り扱う「警察」が現物を抑えて明らかにしない。マスコミは「被害者の味方」の仮面をかぶって「悪者」を探す。原因究明が二の次にされたこのシステムが、次の事故を準備しているのだと警鐘を鳴らしたいのです。

投稿: SUBAL | 2007年6月 2日 (土) 21時56分

車軸写真公開したそうですよ
一枚は
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/30228.html
にあります。

投稿: 和太郎 | 2007年6月 4日 (月) 22時16分

和太郎 さん
情報ありがとうございました。早速新しい記事にしました。

投稿: SUBAL | 2007年6月 4日 (月) 23時29分

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