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2007年6月30日 (土)

蝶と蛾 かたちのココロ

超音波に関する書籍を執筆しています。年末発刊を目標にしています。

その中で動物の超音波も取り上げていますが、定番はコウモリとイルカでしょう。どちらも調べれば調べるほど面白いです。捕食関係にあるコウモリと蛾の超音波をめぐる攻防については、書籍のほうに書いておきました。今日は、そこからはみ出してしまった蛾のかたちについて。

蛾と蝶は、夜行性と昼行性、触角の形、色の派手さ、胴の太さなど区別が容易だと思っていたら、どれも決め手はなく鱗翅目(りんしもく)の中の科の違いでしかないということのようです。

Ga 例外があるとはいえ、夜行動する蛾が多くそれらは羽を広げて休み、昼行動する蝶は羽を立てて休むことが多いのは間違いないでしょう。

超音波探傷をやっている目で見ると、蝶の止まり方は超音波を当てると「コーナーでの2回反射」で、発信源に超音波が帰って来やすいかたちに見えます。

それに対して蛾の止まり方は、反射源として考えると捕らえるのが難しいなぁ、と思うのです。

Moth2 蝶と蛾のかたちをCGで作ってみました。超手抜きですが、前2つが蛾、左のが蝶のつもりです。

これを反射の視点ででみると、どうなるでしょう。CGで試してみました。

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2007年6月29日 (金)

夜の貴婦人

このところ蛾の写真を撮っています。

蛾と蝶は明確な区別は出来ないそうです。生物学的な分類はともかくとして、蛾の「かたち」が面白いのです。何ゆえこのかたちでなければならないのか、超音波の関係で思いいたすことがあるからです。

Moth その中での1枚。まさに高価な襟巻きをまとった貴婦人とでもいえる風情の蛾がいました。なんという種類なのでしょう。

         

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2007年6月28日 (木)

日本海の湿った空気が・・・

津軽半島は東西の幅が20数キロメートルしかありません。

Cimg1485 上空から見ると、日本海・津軽半島・むつ湾が一望できました。日本海の湿った空気が、津軽半島の山並みにぶつかっている様子が、よくわかりました。

Cimg1486 日本海側に雨を降らせている空気の流れを眼下に見ることが出来ました。だからなんだといわれるとそれまでなのですが、なんだかうれしかったのです。

続きでは、先日掲載し損ねた秋田大学付属鉱物博物館で撮影した輝安鉱の写真を・・・。

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2007年6月27日 (水)

夜の花 薔薇

今夜はバラ(薔薇)です。

Rose1 お祭りの出店で買ってきたものです。18年前ですかね。

Rose5

薔薇のゲートにしようともくろんだのですが、当地の外気温では難しいのかもしれません。それでも毎年小さな花ですがあでやかに咲きます。

Rose6 小さな我が家の庭ですが、いろいろな花が咲いているものだと、改めて思います。

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2007年6月26日 (火)

秋田大学付属鉱業博物館(その2)

秋田大学付属鉱業博物館には、超音波に関係する展示がありました。鉱物と超音波・・・?まぁご覧ください。

Synthetic_quartz_crystal2_1 まずは人工水晶です。水晶は圧電材料の代表です。水晶の圧電性を発見したのは、J.キューリーとP.キューリーの兄弟です(1880年)。現在も水晶振動子として通信機器などに広く使われています。ソナーも医療用も金属探傷用も当初は超音波を発信するのに水晶の振動子を使っていました。

人工水晶は室蘭市にある日本製鋼所の関連会社であるファインクリスタル株式会社製造しています。

Trun 水晶の圧電効果を超音波の発信と受信に使い、実用の道を開いたのはフランスのランジュバンです。ランジュバン型振動子が展示されていました。2枚の厚い鉄片ではさむことにより、共振周波数を下げてエネルギーの高い超音波を発信することが可能になりました。第1次世界大戦でドイツの潜水艦に苦しめられていた米英仏が、その勝利を決定的にするきっかけとなったといわれています。

Langevin 現在、強力超音波を発信させているのは、ランジュバン型の改良型といえるボルト締めランジュバン振動子です。これも展示されていました。

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2007年6月25日 (月)

秋田大学付属鉱業博物館

超音波分科会の見学会として、秋田大学付属鉱業博物館へ行きました。

膨大な鉱物が展示してあります。名称(学名)・産地などが書かれているだけで、淡々とした展示です。2時間ほどの見学でしたが、特に解説をしてくれるわけでもありません。1時間ほどで飽きてしまった人が多かったのですが、私は1日いても良かったかなと思うほど楽しかったです。鉱物に関しては、ほとんど知らないのですが・・・。

Tungsten_ore タングステン鉱です。京都の鉱山のようです。日本初のジェットエンジンネ-20の開発のベースになったドイツのBMW003の図面に対する代償には、生ゴム・錫・亜鉛とともにタングステンも入っていました。国内産というより、当事占領していた南方産だったようですが・・・。

Gold_ore 金鉱です。鹿児島県伊佐郡菱刈町の鉱山とのことです。

苫小牧市の北にある支笏湖畔にも金鉱山がありました。古い地図を見ると映画館まである町があったようです。

Native_gold 自然金です。Native Goldというのですね。埼玉県の秩父鉱山

                          

           

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2007年6月24日 (日)

エキスポランド事故 ほかに亀裂が

ペアで運行されていた「雷神号」の軸に亀裂が見つかったと報道されています。

私は、以前にも書きましたが、調べればほかの軸にも疲労亀裂があるだろうと予想していました。1本だけというのは意外に少ないなという印象です。(詳細に調べたのかなぁ?)

今回見つかった亀裂のある軸と、亀裂のない軸の違いを周辺の状況を含めて現場を調べると、本当の原因が見つかるだろうと思います。

報道では杜撰な検査と叩いていますが、果たしてそうでしょうか。私は、3日間の講習で資格が与えられる「検査員」に見つけられる亀裂ではなかったのではないかと見ています。

今回見つかった亀裂は、事故の箇所と同じということです。だとすると、ナットをはずして、ねじの谷のところです。10mmを超えていて、そこが怪しいとわかっていればおそらく目視でも見つけられるかもしれません。鋼の割れはコントラストが低くて漫然と見ていたのでは大きなわれでもわからないことが多いです。

では、どのくらいの時期に、どの程度の割れがあったと予想できるでしょう。

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2007年6月23日 (土)

秋田-千歳間 飛行機の窓から

上空からの眺めは、日常と違った異空間にいる気持ちにさせてくれます。

飛行機の中からの写真は、なかなかうまくいきません。今回撮ってきた写真の中から。

Akitabay 秋田港です。適度に湿度がある空気感が好きです。

Tugarucity_1 撮影したときは能代あたりかな、と思っていましたが、GoogleMapで調べて見ると、もう少し北でつがる市が見えていることがわかりました。左に雲がかかっていますが岩木山の頂上が見えています。撮影したときの機体の場所も、黒石市の東10km弱の上空だということもわかりました。

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2007年6月22日 (金)

青森駅の立ち食いそば

今回の旅行の楽しみの一つが、青森駅の立ち食いそばを食べることでした。

全国を乏しいお金を握り締めて旅行をしていたころ、各地で立ち食いそばを食べました。その中で、一番は青森駅でした。

Aomori 乗り継ぎ時間が30分近くあります。昔は朝早くから開店していたけれど、どうかなと、見ると開いていました。趣は違って明るくなっています。月見そばか天ぷらそばだけれど、今回は天ぷらそば。

Aomorosoba 昔美味しかったものを、何十年かぶりに食べる時は、期待の中に(ぜんぜん違うものが出てきたときの)ある種の覚悟も片隅においておきます。

一口食べると、なんか違う、はっきり言って不味い。まぁ、しょうがないよな「あなただけは変わらずにいて・・・」なんていうのは身勝手な発想だしな。朝飯として腹につめこむか・・・・と・・・

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2007年6月21日 (木)

夜汽車の旅

秋田のホテルからです。

最近旅行の移動手段は飛行機が常識になっています。今回は都合の良い便が無かったので、夜汽車に乗りました。椅子席で寝ていけばよいや、と考えていました。10代後半から20代にかけて、汽車を宿代わりにして、鈍行夜汽車で旅行をしたものです。

かつては、夜の帳が降りてから赤い網袋に入ったみかんをおすそ分けするところから、見知らぬ人と会話が始まったものでした。時には人生を語り、時にはほのかな恋心すら生まれることもありました。夜汽車の旅の楽しさでした。今は、そんな情緒を期待することはできません。黙して移動手段に自分の体を積み込むだけです。

Hamanasu 駅でチケットを購入しようとすると、駅員さんが「横になれる席がありますけど・・・・。」おっ!気が利くじゃん。急行ハマナスのカーペット席です。

料金を聞くと、指定席料金(150円)の追加で良いとのこと、もちろん購入しました。カーペット席ということで、乗ってみると、そう昔の青函連絡船の二等客席(知っている人少ないだろうな?)のような雰囲気。青函連絡船では雑魚寝でしたが、ここでは頭の部分にカーテンがあり隣の人の寝顔を見ずにすむようになっていました。

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2007年6月20日 (水)

超音波探傷事始 航空機 航空機用エンジン

本日職場に、日本製鋼所の関連会社である日鋼検査サービス(株)の社長さんと開発担当の技術者の方が来られました。

お二人とも旧知の仲です。仕事上の話とは別に、情報交換をしたり、教えたもらったりしました。この日本製鋼所は、日本で戦後超音波探傷をフィールドで実際に適用し始めたところです。高沖さんという優れた技術者がおられたのです。高沖さんは、日鋼検査サービス(株)の初代の社長さんでもあります。日本製鋼所は特殊鋼の分野で世界に知られた企業です。

この日本製鋼所は、日本初の航空機用エンジン「室〇号」が作られたところである、ということはあまり知られていません。

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2007年6月19日 (火)

夜の花 デイジー

今日の夜の花は、ヒナギク(Daisy)です。

Daisy 植えたつもりはないけれど、どこからかやってきて咲いています。夜の暗闇の中でも、しっかり自己主張していますよね。

真ん中の黄色の部分を管状花(もしくは筒状花)というようです。この部分に対数螺旋を見ることが出来ます。

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2007年6月18日 (月)

パリス則がわかるソフトウエア

パリス則(Paris Law)は、疲労き裂進展速度da/dNと応力拡大係数範囲ΔKの関係がほぼ直線とみなせる領域が現れることから、式da/dN=C(ΔK)^mであらわされます。C,mは材料定数。

疲労き裂進展速度da/dNと応力拡大係数範囲ΔKの関係をプロットしたグラフは、パリス則が成り立っていることを確認するのには良いのですが、疲労き裂進展の実体と重ね合わせて理解することは困難です。

そこで、パリス則を、繰り返し数とき裂長さの関係にして、両対数グラフにプロットするソフトウエアを作りました。公開します。

Paris 一昨日の記事へのコメントで述べた、き裂深さ2mmと10mmから20mmまで成長するサイクルをプロットした実行画面です。20mmまでを寿命とすると、2mmの時点と10mmの時点では残寿命はおよそ10倍1/10の関係にあることがわかります。

エキスポランドの事故では直径30mm強のねじ部で、2/3ほど疲労き裂が進展して、その後塑性崩壊をしているように見えます。

パリス則についてとソフトウエアのダウンロードは続きで・・・。

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2007年6月17日 (日)

天然ガス採掘場の解体

昨日勤務から帰宅途中、国道沿いにある天然ガスの採掘井のやぐらが倒れ掛かっているのに気が付きました。

Gas  車を止めてみると、解体工事の真っ最中でした。

石油資源開発株式会社(JAPEX)が1989年(平成元年)に掘り当てた天然ガス田で、現在では札幌圏から小樽までパイプラインが整備されて、日産89万立方メートルを産出(2004年度)しているとのことです。

Cimg1371クレーンがありましたから、これで吊りながらやっているのかと思いましたら、違いました。上部に取り付けられた滑車を利用して、自分自身をクレーンのアームのようにして倒れていくというやり方でした。

分解写真は続きで。その前に、ポチッと応援よろしく。

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2007年6月16日 (土)

軸の疲労破面 代表図

軸の疲労破面の代表図についてK.Hirakawaさんから、「ASM Hand book vol.11, Failure Analysis and Prevention, page 111」の掲載されているとの情報をいただいていました。

ASM Hand bookについては、カスタマー登録をすればこちらで参照できるようです。(登録は見合わせました)

インターネットで探していたら、こちらのページ(Fractography of Shafts Activity)に軸の疲労破面に関するChartを見つけました。

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2007年6月15日 (金)

夜の花 番外編(ミス日本)

今日の夜の花は、番外編。

勤務先の20周年記念パーティーにミス日本グランプリの萩美香さんら5名のミスがゲストとして出席しました。

Missj2 萩美香さんです。

皆さんさすがに理知的で美しい。

ツーショットで写真を撮らせてもらいましたが、見苦しいほうはカットということで。

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2007年6月14日 (木)

暑い1日

気温が上がらず寒い春でしたが、本日は暑いと感じました。

夏の到来を予感させます。勤務先が開校20周年で、明後日に記念式典があります。それに関連した諸々。

さらに、私が担当する学科の学生が大量に受けていたM社の就職試験の結果が出ました。これで85%の内定率になりました。今年は早いです。しかもほとんど落ちてきません。

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2007年6月13日 (水)

ボルトの超音波探傷

エキスポランドでの事故を受けて、全国の同様の施設について、点検が実施されたとされています。探傷検査を実施して「安全を確認できた」として運転が開始されているようです。

きちんとした検査が実施されたと信じたいものです。「磁粉探傷、浸透探傷、超音波探傷」のどれをやるのか、それぞれの方法についても何を基準にしてどのような方法で行うのか検討をされて、徹底されているのでしょうか。

漫然と探傷をしていても、危険の芽を事前につむことは出来ない、という例を。

Ut1 全長250mm、直径20mmのクロムモリブデン鋼のボルトを、5MHz・振動子直径10mmの探触子で軸方向に超音波を伝搬させて探傷した例です。

ねじを切ってある部分は25mmあり、探触子から5mmの位置にコッターピンを入れる穴が開いています。

今回の事故で疲労破壊したねじの谷の部分に疲労割れがあったとしたら検出できるでしょうか。

コッターピンがなくても、ねじ山が反射源となり割れからのエコーを受信していてもSN比(信号と雑音の比)が小さくなり、探傷は難しくなります。それでも数mmの割れであれば、健全なボルトとの比較をすることで、検出が可能になるでしょう。

このケースではコッターピンの穴があります。5mmからの反射波(エコー)は5の倍数の距離に多重反射の信号が表れます。この穴からの多重反射がノイズレベルを上げてSN比は極端の小さくなっているのがわかるでしょうか。割れを見つけるのはさらに困難です。

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2007年6月11日 (月)

夜の花 藤

今夜の花は、藤です。我が家の庭の栗の木に絡み付いて咲いています。

Fuji:マメ科の木です。藤色とはこの色を言うのですね。藤原氏の流れを汲んで「藤」の付く苗字はたくさんいます。

Fuji2 万葉集にも藤を歌った歌がたくさんあるようです。藤の花を歌う場合、藤波と表現して、藤の花群が風になびいて波うつさまを読むものが多いようです。

その中の一首。

かくしてぞ 人は死ぬといふ 藤波の ただ一目のみ 見し人ゆゑに (作者不明)

その意味は

こうして人は死ぬというのですね。藤の花のような、ただ一度だけ見たあの人に恋して。

暗闇に咲く藤の花を見ていると、この気分共有できます。

Fuji3 もう一首。

藤波の、咲く春の野に、延ふ葛の、下よし恋ひば、久しくもあらむ(作者不明)

藤が豊かに咲く春の野に這うように延びている葛(くず)のように、人目につかぬように密かに恋していたら、想いがかなうまでにはずいぶんと時が経つでしょうね。

絢爛と咲き誇る藤の花のようすが目に浮かびます。栗の木の葉陰でひっそりと咲いている我が家の藤の花とは、ちょっと趣が違います。

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2007年6月10日 (日)

エキスポランド事故 破面のCG

破面写真を、画像処理して公開をすると、著作権法に触れることになる、ということです。ちょっとしっくりしないところもありますが、法律がそうなっているのであれば仕方ありません。破面は事故原因解明のための重要な情報です。私は、この事故の原因、そしてこのような事故を防ぐためのState of the art がどの辺にあるのか、見届けたいと思っています。

Expo2imagec5_1 破面の写真をスケッチして、それを元にCGを作って見ました。これなら、私の作品と言ってよいでしょう。

当然ですが、私の手が入っていますので正確ではありません。ミスもあるかもしれません。原本では見えにくかったビーチマークを強調しています。

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液体窒素の実験

昨日息子と「少年団」の例会に行ってきました。私は運転手。

以前にも紹介しましたが、学校ではやらない実験や工作をやらせてもらえるので、息子も楽しみにしています。

N25_1 今回のテーマは「液体窒素で遊ぼう」でした。息子いわく「バナナで釘を打つとか、バラの花がバリバリになるとか、ありきたりで面白くなさそう。」

実際に見たりやったことがあるのかと聞くと「ない」。ビデオで見るのと実際に体験するのとでは一味違う、と言い聞かせて会場へ。

N2 それでも、マイナス196℃の液体窒素の中で、イチゴがぐつぐつに煮え立つようになると子供たちは楽しそう。

一通りのことが終わって、指導員の方が「ほかのものを入れてみよう」と呼びかけると、息子は待ってましたとばかりに、あたりを探しましたが、めぼしいものがない。

そこで

台所用洗剤(ラップにくるんで)・釘・新聞紙・鉛筆を入れてみました。

さて、どうなったでしょう。続きでどうぞ。その前に

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2007年6月 9日 (土)

夜の花 スズラン

夜の花シリーズ、今夜はスズラン(鈴蘭)です。

Suzuran0 ランの仲間かと思ったらユリ科だそうです。

学名:Convallaria keiskei 別名:キミカゲソウ(君影草)

君影草、夜の草むらにひっそりと咲いている風情にぴったりじゃぁないですか。

Suzuran2 私が育った釧路市郊外には広大な湿原がありまして、春になるとスズランが一面に咲いていたものです。独特の香りがします。

夜の草むら(我が家の庭ですが)にも、小さな花から引き込まれるような香りが立ち込めていました。

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2007年6月 8日 (金)

State of the art(その2)

このブログにコメントを寄せてくれるデハボ1000さんが、平川賢爾著「ドイツ高速鉄道脱線事故の真相」(慧文社刊)についての書評を掲載しました。

そこで述べられている、この書籍に向かうとき自然に「襟を正す」ことになるという気持ちは、私も同感なのです。この本を読んだのは昨年の6月でした。いつかこのブログでも紹介しようと思いながら、なかなか出来ませんでした。軽々にコメントを述べられる内容ではないと思ったからです。

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2007年6月 7日 (木)

夜の花 アツモリソウ

夜の花シリーズです。

Atumori1 庭の隅に咲いていたアツモリソウです。何か怪しい美しさですね。亡母が縁日で購入して庭に植えていたもののようです。

本日は、ブログに掲載する写真の件で、いろいろ教えていただきました。たくさんの方に見ていただき、支えていただいていることを実感しました。

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2007年6月 6日 (水)

軸の疲労破面形態

公開されたエキスポランド・ジェットコースタ事故で破損した軸の疲労破面。これをPhoto Shop で画像処理をしてみました。(画像処理した映像の掲載は当面見合わせます)

すると、破損のときに2次的に付いたであろう傷のほかに、1ヶ月の時間経過の中で破面が痛んでいる箇所がわかります。破面は生ものなのです。破面を保存して、早めに専門家に鑑定を依頼することが必要だったのです。

Fatigue_cross_sectionそれでも、見えにくかったビーチマークが見えてきています。このビーチマーク、破面観察(Fractography)の教科書に載っている分類表中の典型のひとつとほとんど同じように見えます。

軸の疲労破面形態で「片振り曲げ、鋭いノッチ(応力集中)、応力小(高サイクル疲労)」の欄にある図によく似ています。。

Hirakawa氏から、「破面から、片振りの疲労とは分かりません。」とのコメントをいただいています。(6/7追記)

しつこいかもしれませんが、なぜここに曲げの応力が繰り返しかかるのか、その要因を考えてほしいのです。

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2007年6月 5日 (火)

公開された破面の意味するもの

大阪府吹田市で起きたジェットコースター事故、1ヶ月経ってやっと破面が公開されました。

Crosssectional_shape

この写真はYOMIURIONLINEに掲載されているものです。

大阪府警が公開したようです。こういう写真に著作権があるのでしょうか。私は事故の再発防止という「公」に資するために公的機関が公開した(どこまでもパブリックな)映像に民間会社が著作権を主張することに疑問を抱いています。

さて、この破面についてですが、ライフワークとして鉄道車軸の疲労破壊を研究されていて、海外での公的な鑑定を行っているHirakawa氏がその見解を、このブログに寄せてくれています

片振り曲げ疲労で、疲労限近い低い応力でゆっくりと穏やかに進行した疲労破壊であることが、この破面から読める、これでよいとのことです。(Hirakawa氏は片振りとはいっていません。お詫びして訂正します。6/7)

後は、電子顕微鏡のレベルでストライエーションが観察できるのか、観察できれば亀裂伸展の時間経過が推定できる、という作業が残されているだけでしょう。

以前にも指摘しましたが、この破断箇所がなぜ破断するような繰り返しの曲げ応力が発生したのか、ここが問題ではないかといい続けえてきました。

この軸(ボギー軸というようです)は本体に圧入されています。圧入で本体にしっかり固定されていれば、破断箇所には曲げ応力の発生は考えにくい箇所なのです。

この件で、毎日新聞の記事に以下のようなものがありました。

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2007年6月 4日 (月)

エキスポ事故 破断箇所の写真公開だが・・・

エキスポランド事故の破断した車軸の写真が、やっと公開されました。

Exshaft この写真は6月4日に北海道新聞のニュースサイトに掲載されていたものです(6月7日現在削除されています)。でもどうして、破面そのものの写真ではないのだろう。取材した記者も、90度回してといってほしい。その破面の様子から、多くのことがわかるのです。記者も、そのくらい勉強をして取材してほしいものです。情報の価値は半減どころではないのです。

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2007年6月 3日 (日)

運動会の物理

子供たちの中学で行われた「体育大会」を見物してきました。

Taiku その中での競技「ハリケーン」。竹の棒を3人で持って走り、コーンがおいてある場所2箇所でぐるりと回ります。回り終えたら、戻って次の人たちに竹の棒をバトンのように渡すのですが、そのときに3列縦隊に並んでいる子供たちの足の下を竹の棒を通す、というルールです。

Taiku1 4クラス対抗でした。うちの娘たちのクラスは、すべての選手たちが竹の棒を受け取ると、3人が端によって走り始めます。すばやく回って、バトンタッチするときに2人の子が棒の端持ち、真ん中の子がするりと抜けていきます。

他の3クラスは、これがされていません。もちろん娘のクラスが1位。

後で娘に聞いてみると、先生の作戦とか。娘の担任の先生は理科担当。力の強い子が中側、足の速い子が外側、という配置もしていたようです。中担当の子供は、回るときにぐいと回しているそうです。

娘いわく。「先生頭いい。あれで勝てた、どう考えてもあの方法が速い」

角速度と周速度、角運動量保存の法則なんて話はまだ早い。それでも、遊び(?)の中でで豊かに知的に感じておいてほしいと思うのです。

それでも・・・・・

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2007年6月 2日 (土)

夜のチューリップ

庭に咲いている花を、デジカメで夜に撮影すると、ちょっと面白いかったので、UPします。

Tulip2 チューリップです。説明の必要ないですね。妖艶と感じるのは、私だけでしょうか。

Tulip 別の角度から。

Tulip3 もう1枚。

Satuki こちらは皐月で「山の光」という種類だそうです。

デジカメで撮影しながら、植物音痴を少しずつ直していこうかな。

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2007年6月 1日 (金)

5月は事故関連

先月から、このブログの記事の中で多く読まれたものランキングを左下に入れてあります。

5月は、5日に起きたエキスポランド事故関連の記事を多く書きました。ランキングも8/10がこの事故関連です。いつものブログの書き方とは、姿勢を変えて書いています。多くの方に読んでいただけているようです。

Jiko_1 右の写真は、事故直後の報道写真(この写真の掲載ページはすでに削除されています)。脱線して横の防護策に激突した現場のすぐ下の様子のように見えます。車輪ユニットから折れた軸がのぞいているのが確認できます。

                                            

Expo4こちらは車両ユニットと思われるところの拡大です。 このユニットを見るとどこが破断したかは一目瞭然であるにもかかわらず、エキスポランドの担当者は間違った発表をして、報道も検証せずに間違ったまま数日間流されます。

Expo2imagec3 私が作ったCGと見比べてみてください。

報道では、この軸の破面が金属疲労の特徴を示していたということです。疲労破面は未だに公開されていません。このような事故原因の解明には、現場と現物をよく確認することが出発点です。現場と現物の確認はちゃんとやられているのでしょうか。

なぜここなのか、この解明が必要ですといい続けています。原因の公開があってはじめて有効な点検と対策が可能です。それ抜きの点検と対策は、的外れになっている可能性があるのです。

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