« 夜の貴婦人 | トップページ | ステルス爆撃機と蛾 »

2007年6月30日 (土)

蝶と蛾 かたちのココロ

超音波に関する書籍を執筆しています。年末発刊を目標にしています。

その中で動物の超音波も取り上げていますが、定番はコウモリとイルカでしょう。どちらも調べれば調べるほど面白いです。捕食関係にあるコウモリと蛾の超音波をめぐる攻防については、書籍のほうに書いておきました。今日は、そこからはみ出してしまった蛾のかたちについて。

蛾と蝶は、夜行性と昼行性、触角の形、色の派手さ、胴の太さなど区別が容易だと思っていたら、どれも決め手はなく鱗翅目(りんしもく)の中の科の違いでしかないということのようです。

Ga 例外があるとはいえ、夜行動する蛾が多くそれらは羽を広げて休み、昼行動する蝶は羽を立てて休むことが多いのは間違いないでしょう。

超音波探傷をやっている目で見ると、蝶の止まり方は超音波を当てると「コーナーでの2回反射」で、発信源に超音波が帰って来やすいかたちに見えます。

それに対して蛾の止まり方は、反射源として考えると捕らえるのが難しいなぁ、と思うのです。

Moth2 蝶と蛾のかたちをCGで作ってみました。超手抜きですが、前2つが蛾、左のが蝶のつもりです。

これを反射の視点ででみると、どうなるでしょう。CGで試してみました。

にほんブログ村 科学ブログへ←1日1回クリックしていただけると応援1票になります。3位です。

Moth3 床も含めてすべて色を白にして、表面材質を反射体にしてみました。スポット光を視点の側から照射する設定です。

丸みのある形は、反射率は小さくなりますが、どの方向からも反射が得やすくなります。面で覆い、なるべく周囲との角度差を少なくすることが有利に見えます。

Moth4_1 同じ蛾の裏表の写真です。丸みを帯びた胴体部分を平面で覆い隠しているように見えます。

光と超音波は似たところもありますが、もちろん違いもあります。でも、蛾の形が反射で物体を認識するコウモリから隠れる形であることは、明らかかな?

Oomizuao オオミズアオ(オナガミズアオかもしれません。区別がつきません)です。オオミズアオ、夜のアゲハチョウのようで怪しげで良いですね。英語ではLuna Moth(月蛾?)というようです。

街灯に混乱して疲れ果てている様子でした。羽を広げてとまっています。

271828さんに教えてもらった群馬大学の青木繁伸先生のページには、木の幹に止まっているオオミズアオの写真と木の葉の間に止まっている写真が掲載されています。

とまり方が明らかに違います。木の幹のほうは、木の曲率に近くしています。超音波的には分解能を相当上げないと発見は難しくなります。

葉のほうは、羽を大きく平面状に広げています。これは超音波の反射特性が木の葉に近くなり、木の葉との区別が難しくなる、すなわちSN比が小さくなって検出を困難にしていると見えます。

昼間の小動物たちは捕食者に見つからないために擬態や保護色で身を隠しています。暗闇で超音波を使って襲い来るコウモリに、音響的な防衛をしているのは、当然のことかもしれません。

こんなことは、とっくに研究されているのかな?それとも的外れ?

|

« 夜の貴婦人 | トップページ | ステルス爆撃機と蛾 »

コメント

蛾のとまる姿はF-117攻撃機やB-2爆撃機の形に似ていると思いました。
どちらも同じような理由からですね。

投稿: たけひろ | 2007年6月30日 (土) 23時24分

さすがに飛行機野郎だね。
私の記事も、この2つのステルス機の形をみながら考えていることなのだよ。
この件は、本に書いています。
ただ、F-117とB-2爆撃機では、ステルス性についての考え方が若干違うように思います。
米軍のデザイナーは蛾を研究しているのかなと思えるほどです。

投稿: SUBAL | 2007年6月30日 (土) 23時45分

なるほど、そうなのですか!

本が出版されたら一冊購入させていただきます。

投稿: たけひろ | 2007年7月 1日 (日) 13時03分

ありがとう。
出版社様、「予約が1件入りました(笑)」

投稿: SUBAL | 2007年7月 1日 (日) 13時22分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/23508/6981815

この記事へのトラックバック一覧です: 蝶と蛾 かたちのココロ:

« 夜の貴婦人 | トップページ | ステルス爆撃機と蛾 »