つまようじブリッジ ファイナル
1997年からはじめたつまようじブリッジコンテストですが、第11回目を迎える今年のコンテストをもって終了することにしました。
最終回となるつまようじブリッジコンテストは、11月2日(金)に開催します。
思えばずいぶん長い間続いたものだと思います。どんなかたちが強いのか、身近な材料で試行錯誤でやってきました。当初には思いもよらない250キロに耐える記録がでるところまできました。仕掛け人である私も驚いています。
現在巷にある橋は、ほとんど鋼という材料の特性生かした形になっています。
つまようじと木工用ボンドを使う最適形状があるはずだ、そこに到達するプロジェクトだ、といい続けてきました。そのために細かいところは少し変えたところもありますが、ベースとなるレギュレーションは変えずにやってきました。
ほぼ限界に来ていると判断しました。製作精度を上げると、記録はもっと伸びると思います。精度を上げる工夫というのもありますが、それは100名近い学生が参加するコンテストではなくて、自由研究の課題としていくことのほうが良いと考えたのです。
10年にわたって、多くの方からアドヴァイスをいただき、応援をしていただきました。ありがとうございました。学生とともに、私もずいぶん多くのことを学ばせていただきました。
自由な発想の元に、アイデアを出し合い、ひたすら精緻に作った作品を壊してみる、そして壊れる過程を観察する。シンプルな試みが、ここまで面白く、広がりと深さをもって続くとは夢にも思っていませんでした。
いろいろなエピソードが生まれました。たくさんの顔が浮かんできます。
ファイナルの大会は、大いに盛り上げたいと思っています。私自身も、一競技者として参加しようかと考えています。応援よろしくお願いいたします。
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コメント
こんにちは。長い間お疲れ様でした。レベルが上がりすぎて、安全性の心配も出てきたようですし、よい区切りなのではないでしょうか。私が主催しているロボットコンテストは競技ルールを毎年変えているので、マンネリ化することはないのですが、そろそろもう一ひねりしたいとは思っています。
投稿: KADOTA | 2007年7月25日 (水) 07時04分
>ほぼ限界に来ていると判断しました。製作精度を上げると、記録はもっと伸びると思います。精度を上げる工夫というのもありますが
確かに、このようなイベントは、学生さんの自己啓発の意味合いが多くあるから、そこが究極の・・・とかいう攻略本的視点が出てくる前のほうが、非常に「綺麗かつ教育的」に有効だなあと感心した次第です。
終わりよければ全て良しですね。最終回の盛会、及び安全な大会完築を祈念いたします。
投稿: デハボ1000 | 2007年7月25日 (水) 20時29分
KADOTA さん デハボ1000 さん こんばんは
>安全性の心配
学生たちは「強くて軽い」という矛盾する課題に取り組んできたのですが、私たちスタッフは年々増加する荷重に対応して「破壊時の迫力と安全」を両立する競技台と吊具を工夫してきた10年でした。
レギュレーションを変えることで続ける選択肢もあったのですが、ひたすら頂上を目指して駆け登ってきたのだから、横道には行かずに終止符を打つ、というほうがすっきりすると考えました。
この経験で得たものは、少し発酵させてから、別の方面で活かしてゆけたらと思います。
投稿: SUBAL | 2007年7月25日 (水) 21時10分
終わりとなると寂しいですね。
思えば6年前にどうしたら優勝、いや“焼肉”をたべれるか真剣に考えてました。
そして自分たちの作った橋梁が早くもミシミシと音を立てて崩れ去っていく姿を今でも覚えてます。
コンテストを通じて構造の学習ももちろん出来ましたがそれ以上に、机上より実践!の大切さを学びました。
これからも実践、“まずやってみる”大切さを忘れずにいきたいと思います。
先生も競技者として参加されるとの事で色々な意味で期待してます(笑)
投稿: MHIのI | 2007年7月27日 (金) 11時58分
MHIのI くん こんばんは
コメントありがとう。
君たちが作った有限要素法の細かいメッシュのようなアーチ橋の、斜め部材のつまようじが1本回転しながらはじけて飛んだときの様子は、私の脳裏にくっきりと刻まれています。
アーチの座屈はこのようにして起きるという見本のような壊れ方で、面白かったですね。
私は、あの映像を何回も見て、いろいろ考えをめぐらせましたよ。
投稿: SUBAL | 2007年7月27日 (金) 22時42分