エキスポランド事故の原因は解明されたのか?
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ドイツにある某超音波探傷の研究所に勤めている友人(知人かな?)から、水晶を振動子として使っている超音波探触子が送られてきました。
水晶は、キューリー兄弟が発見した圧電材料で、超音波の利用技術の始まりとなったランジュバンも水晶を使ってランジュバン型振動子を作りました。
でも現在では、超音波探傷に使う振動子材料はほとんど100%といっていいくらいPZT(ジルコンチタン酸鉛)です。
もう、かれこれ四半世紀この技術に携わっていますが、水晶振動子の探触子を見たことはありますが、仕事で使ったことはありません。
水晶を使った探触子には、試験体の金属を電極として使うためのスプリングが出ています。おそらく試験体上でこすることに耐える電極を貼り付けることが難しかったのでしょう。
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もう9年前ですかね。WACOMのペンタブレットを使って、超音波探傷の訓練用シミュレータの開発を試みました。
WACOMのペンタブレットは原理として電磁誘導を使っています。ペンの位置情報だけでなく筆圧・ペンの傾きの情報も取っています。電磁誘導ですが、巧みにやってますね。金属や磁石やコイルを近づけてみましたが、反応しません。
電磁誘導なのでボードとペンとが多少離れていても、情報が取れます。たとえば鋼の溶接部の絵もしくは写真をはさんでも大丈夫なのです。
超音波探傷入門プログラムで、パソコン上に仮想超音波探傷器を作ることには成功していましたから、ペンを改造して探触子を作りました。
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非破壊検査技術者が足りないようです。
日本非破壊検査協会のホームページに、非破壊検査技術者資格証明証の偽造についての注意が掲載されていました。協会関係者によりますと、複数件あるようです。
たいていは検査報告書の最後に資格証明証のコピーを添付するのが慣わしですが、今のパソコンの画像処理技術を持ってすれば朝飯前です。
J IS Z 2305の資格証明証はパウチです。簡単ないたずらをしてみました。(丁寧にやれば見分けが付かないようにすることも出来ます。まして白黒のコピーならパソコンを使わなくても糊とはさみで出来てしまいます。)
日本非破壊検査協会が発行しているライセンス数(JIS Z 2305 及び移行前のNDIS 0601を含む。注:現在はJIS Z 2305に移行する過渡期間にある)は、6部門×3レベルすべてあわせて、総数で64720(2005年12月30日現在:日本非破壊検査協会「非破壊検査」Vol.55による)。そのうち試験検査方法を検討して決めることの出来るレベル3は、6部門すべて合計して6171。6万といっても、複数のライセンスを保持している人も多いですから、資格者数としては3万人程度です。ちなみに私は、全6部門のレベル3と総合管理技術者を持っています。かつては、保険として全6部門のレベル2も保持していたことがありますから、日本の非破壊検査資格だけで13資格のホルダーでした。さすがに維持費が馬鹿にならないので下位資格は流しました。
景気が少し良くなってくると、こうした悪さをする人が出てきます。発注者側も「検査報告書だけ出してくれ」などと言うことを公然と言うやからも出てきます。
私のところにも非破壊検査技術者が逼迫しているという電話が、このところかかってきます。当面足りないということだけでなく、4~5年先を見越して足りないという話です。新卒だけでなく、中途採用をしたいという話です。航空関係も鉄も山ほど仕事を抱えているそうです。
そうなってくると、検査技術者を冷遇していたところ(検査の重要性を意識していないところ)からは人は逃げていきます。そういうところの管理者は、次に何を考えるでしょう。ミートホープの田中社長バリの「知恵」を働かせる、となるのは容易に想像できます。
日本非破壊検査協会では、資格者情報の問い合わせには応じているようですから、不審に思われる方はぜひ確認をしてください。(TEL 03-5821-5101)
米国(The American Society for Nondestructive Testing (ASNT))では・・・・、
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秋田大学付属鉱業博物館には、超音波に関係する展示がありました。鉱物と超音波・・・?まぁご覧ください。
まずは人工水晶です。水晶は圧電材料の代表です。水晶の圧電性を発見したのは、J.キューリーとP.キューリーの兄弟です(1880年)。現在も水晶振動子として通信機器などに広く使われています。ソナーも医療用も金属探傷用も当初は超音波を発信するのに水晶の振動子を使っていました。
人工水晶は室蘭市にある日本製鋼所の関連会社であるファインクリスタル株式会社で製造しています。
水晶の圧電効果を超音波の発信と受信に使い、実用の道を開いたのはフランスのランジュバンです。ランジュバン型振動子が展示されていました。2枚の厚い鉄片ではさむことにより、共振周波数を下げてエネルギーの高い超音波を発信することが可能になりました。第1次世界大戦でドイツの潜水艦に苦しめられていた米英仏が、その勝利を決定的にするきっかけとなったといわれています。
現在、強力超音波を発信させているのは、ランジュバン型の改良型といえるボルト締めランジュバン振動子です。これも展示されていました。
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ペアで運行されていた「雷神号」の軸に亀裂が見つかったと報道されています。
私は、以前にも書きましたが、調べればほかの軸にも疲労亀裂があるだろうと予想していました。1本だけというのは意外に少ないなという印象です。(詳細に調べたのかなぁ?)
今回見つかった亀裂のある軸と、亀裂のない軸の違いを周辺の状況を含めて現場を調べると、本当の原因が見つかるだろうと思います。
報道では杜撰な検査と叩いていますが、果たしてそうでしょうか。私は、3日間の講習で資格が与えられる「検査員」に見つけられる亀裂ではなかったのではないかと見ています。
今回見つかった亀裂は、事故の箇所と同じということです。だとすると、ナットをはずして、ねじの谷のところです。10mmを超えていて、そこが怪しいとわかっていればおそらく目視でも見つけられるかもしれません。鋼の割れはコントラストが低くて漫然と見ていたのでは大きなわれでもわからないことが多いです。
では、どのくらいの時期に、どの程度の割れがあったと予想できるでしょう。
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秋田のホテルからです。
最近旅行の移動手段は飛行機が常識になっています。今回は都合の良い便が無かったので、夜汽車に乗りました。椅子席で寝ていけばよいや、と考えていました。10代後半から20代にかけて、汽車を宿代わりにして、鈍行夜汽車で旅行をしたものです。
かつては、夜の帳が降りてから赤い網袋に入ったみかんをおすそ分けするところから、見知らぬ人と会話が始まったものでした。時には人生を語り、時にはほのかな恋心すら生まれることもありました。夜汽車の旅の楽しさでした。今は、そんな情緒を期待することはできません。黙して移動手段に自分の体を積み込むだけです。
駅でチケットを購入しようとすると、駅員さんが「横になれる席がありますけど・・・・。」おっ!気が利くじゃん。急行ハマナスのカーペット席です。
料金を聞くと、指定席料金(150円)の追加で良いとのこと、もちろん購入しました。カーペット席ということで、乗ってみると、そう昔の青函連絡船の二等客席(知っている人少ないだろうな?)のような雰囲気。青函連絡船では雑魚寝でしたが、ここでは頭の部分にカーテンがあり隣の人の寝顔を見ずにすむようになっていました。
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本日職場に、日本製鋼所の関連会社である日鋼検査サービス(株)の社長さんと開発担当の技術者の方が来られました。
お二人とも旧知の仲です。仕事上の話とは別に、情報交換をしたり、教えたもらったりしました。この日本製鋼所は、日本で戦後超音波探傷をフィールドで実際に適用し始めたところです。高沖さんという優れた技術者がおられたのです。高沖さんは、日鋼検査サービス(株)の初代の社長さんでもあります。日本製鋼所は特殊鋼の分野で世界に知られた企業です。
この日本製鋼所は、日本初の航空機用エンジン「室〇号」が作られたところである、ということはあまり知られていません。
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パリス則(Paris Law)は、疲労き裂進展速度da/dNと応力拡大係数範囲ΔKの関係がほぼ直線とみなせる領域が現れることから、式da/dN=C(ΔK)^mであらわされます。C,mは材料定数。
疲労き裂進展速度da/dNと応力拡大係数範囲ΔKの関係をプロットしたグラフは、パリス則が成り立っていることを確認するのには良いのですが、疲労き裂進展の実体と重ね合わせて理解することは困難です。
そこで、パリス則を、繰り返し数とき裂長さの関係にして、両対数グラフにプロットするソフトウエアを作りました。公開します。
一昨日の記事へのコメントで述べた、き裂深さ2mmと10mmから20mmまで成長するサイクルをプロットした実行画面です。20mmまでを寿命とすると、2mmの時点と10mmの時点では残寿命はおよそ10倍1/10の関係にあることがわかります。
エキスポランドの事故では直径30mm強のねじ部で、2/3ほど疲労き裂が進展して、その後塑性崩壊をしているように見えます。
パリス則についてとソフトウエアのダウンロードは続きで・・・。
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