エキスポランド事故の原因は解明されたのか?
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (2)
ドイツにある某超音波探傷の研究所に勤めている友人(知人かな?)から、水晶を振動子として使っている超音波探触子が送られてきました。
水晶は、キューリー兄弟が発見した圧電材料で、超音波の利用技術の始まりとなったランジュバンも水晶を使ってランジュバン型振動子を作りました。
でも現在では、超音波探傷に使う振動子材料はほとんど100%といっていいくらいPZT(ジルコンチタン酸鉛)です。
もう、かれこれ四半世紀この技術に携わっていますが、水晶振動子の探触子を見たことはありますが、仕事で使ったことはありません。
水晶を使った探触子には、試験体の金属を電極として使うためのスプリングが出ています。おそらく試験体上でこすることに耐える電極を貼り付けることが難しかったのでしょう。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
もう9年前ですかね。WACOMのペンタブレットを使って、超音波探傷の訓練用シミュレータの開発を試みました。
WACOMのペンタブレットは原理として電磁誘導を使っています。ペンの位置情報だけでなく筆圧・ペンの傾きの情報も取っています。電磁誘導ですが、巧みにやってますね。金属や磁石やコイルを近づけてみましたが、反応しません。
電磁誘導なのでボードとペンとが多少離れていても、情報が取れます。たとえば鋼の溶接部の絵もしくは写真をはさんでも大丈夫なのです。
超音波探傷入門プログラムで、パソコン上に仮想超音波探傷器を作ることには成功していましたから、ペンを改造して探触子を作りました。
←1日1回クリックしていただけると応援1票になります。ブログをはじめて1年半ですが、記事の合計数が300を超えました。この間コメント数は761になっています。
| 固定リンク | コメント (11) | トラックバック (1)
非破壊検査技術者が足りないようです。
日本非破壊検査協会のホームページに、非破壊検査技術者資格証明証の偽造についての注意が掲載されていました。協会関係者によりますと、複数件あるようです。
たいていは検査報告書の最後に資格証明証のコピーを添付するのが慣わしですが、今のパソコンの画像処理技術を持ってすれば朝飯前です。
J IS Z 2305の資格証明証はパウチです。簡単ないたずらをしてみました。(丁寧にやれば見分けが付かないようにすることも出来ます。まして白黒のコピーならパソコンを使わなくても糊とはさみで出来てしまいます。)
日本非破壊検査協会が発行しているライセンス数(JIS Z 2305 及び移行前のNDIS 0601を含む。注:現在はJIS Z 2305に移行する過渡期間にある)は、6部門×3レベルすべてあわせて、総数で64720(2005年12月30日現在:日本非破壊検査協会「非破壊検査」Vol.55による)。そのうち試験検査方法を検討して決めることの出来るレベル3は、6部門すべて合計して6171。6万といっても、複数のライセンスを保持している人も多いですから、資格者数としては3万人程度です。ちなみに私は、全6部門のレベル3と総合管理技術者を持っています。かつては、保険として全6部門のレベル2も保持していたことがありますから、日本の非破壊検査資格だけで13資格のホルダーでした。さすがに維持費が馬鹿にならないので下位資格は流しました。
景気が少し良くなってくると、こうした悪さをする人が出てきます。発注者側も「検査報告書だけ出してくれ」などと言うことを公然と言うやからも出てきます。
私のところにも非破壊検査技術者が逼迫しているという電話が、このところかかってきます。当面足りないということだけでなく、4~5年先を見越して足りないという話です。新卒だけでなく、中途採用をしたいという話です。航空関係も鉄も山ほど仕事を抱えているそうです。
そうなってくると、検査技術者を冷遇していたところ(検査の重要性を意識していないところ)からは人は逃げていきます。そういうところの管理者は、次に何を考えるでしょう。ミートホープの田中社長バリの「知恵」を働かせる、となるのは容易に想像できます。
日本非破壊検査協会では、資格者情報の問い合わせには応じているようですから、不審に思われる方はぜひ確認をしてください。(TEL 03-5821-5101)
米国(The American Society for Nondestructive Testing (ASNT))では・・・・、
| 固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0)
秋田大学付属鉱業博物館には、超音波に関係する展示がありました。鉱物と超音波・・・?まぁご覧ください。
まずは人工水晶です。水晶は圧電材料の代表です。水晶の圧電性を発見したのは、J.キューリーとP.キューリーの兄弟です(1880年)。現在も水晶振動子として通信機器などに広く使われています。ソナーも医療用も金属探傷用も当初は超音波を発信するのに水晶の振動子を使っていました。
人工水晶は室蘭市にある日本製鋼所の関連会社であるファインクリスタル株式会社で製造しています。
水晶の圧電効果を超音波の発信と受信に使い、実用の道を開いたのはフランスのランジュバンです。ランジュバン型振動子が展示されていました。2枚の厚い鉄片ではさむことにより、共振周波数を下げてエネルギーの高い超音波を発信することが可能になりました。第1次世界大戦でドイツの潜水艦に苦しめられていた米英仏が、その勝利を決定的にするきっかけとなったといわれています。
現在、強力超音波を発信させているのは、ランジュバン型の改良型といえるボルト締めランジュバン振動子です。これも展示されていました。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
ペアで運行されていた「雷神号」の軸に亀裂が見つかったと報道されています。
私は、以前にも書きましたが、調べればほかの軸にも疲労亀裂があるだろうと予想していました。1本だけというのは意外に少ないなという印象です。(詳細に調べたのかなぁ?)
今回見つかった亀裂のある軸と、亀裂のない軸の違いを周辺の状況を含めて現場を調べると、本当の原因が見つかるだろうと思います。
報道では杜撰な検査と叩いていますが、果たしてそうでしょうか。私は、3日間の講習で資格が与えられる「検査員」に見つけられる亀裂ではなかったのではないかと見ています。
今回見つかった亀裂は、事故の箇所と同じということです。だとすると、ナットをはずして、ねじの谷のところです。10mmを超えていて、そこが怪しいとわかっていればおそらく目視でも見つけられるかもしれません。鋼の割れはコントラストが低くて漫然と見ていたのでは大きなわれでもわからないことが多いです。
では、どのくらいの時期に、どの程度の割れがあったと予想できるでしょう。
| 固定リンク | コメント (5) | トラックバック (0)
秋田のホテルからです。
最近旅行の移動手段は飛行機が常識になっています。今回は都合の良い便が無かったので、夜汽車に乗りました。椅子席で寝ていけばよいや、と考えていました。10代後半から20代にかけて、汽車を宿代わりにして、鈍行夜汽車で旅行をしたものです。
かつては、夜の帳が降りてから赤い網袋に入ったみかんをおすそ分けするところから、見知らぬ人と会話が始まったものでした。時には人生を語り、時にはほのかな恋心すら生まれることもありました。夜汽車の旅の楽しさでした。今は、そんな情緒を期待することはできません。黙して移動手段に自分の体を積み込むだけです。
駅でチケットを購入しようとすると、駅員さんが「横になれる席がありますけど・・・・。」おっ!気が利くじゃん。急行ハマナスのカーペット席です。
料金を聞くと、指定席料金(150円)の追加で良いとのこと、もちろん購入しました。カーペット席ということで、乗ってみると、そう昔の青函連絡船の二等客席(知っている人少ないだろうな?)のような雰囲気。青函連絡船では雑魚寝でしたが、ここでは頭の部分にカーテンがあり隣の人の寝顔を見ずにすむようになっていました。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
本日職場に、日本製鋼所の関連会社である日鋼検査サービス(株)の社長さんと開発担当の技術者の方が来られました。
お二人とも旧知の仲です。仕事上の話とは別に、情報交換をしたり、教えたもらったりしました。この日本製鋼所は、日本で戦後超音波探傷をフィールドで実際に適用し始めたところです。高沖さんという優れた技術者がおられたのです。高沖さんは、日鋼検査サービス(株)の初代の社長さんでもあります。日本製鋼所は特殊鋼の分野で世界に知られた企業です。
この日本製鋼所は、日本初の航空機用エンジン「室〇号」が作られたところである、ということはあまり知られていません。
| 固定リンク | コメント (11) | トラックバック (0)
パリス則(Paris Law)は、疲労き裂進展速度da/dNと応力拡大係数範囲ΔKの関係がほぼ直線とみなせる領域が現れることから、式da/dN=C(ΔK)^mであらわされます。C,mは材料定数。
疲労き裂進展速度da/dNと応力拡大係数範囲ΔKの関係をプロットしたグラフは、パリス則が成り立っていることを確認するのには良いのですが、疲労き裂進展の実体と重ね合わせて理解することは困難です。
そこで、パリス則を、繰り返し数とき裂長さの関係にして、両対数グラフにプロットするソフトウエアを作りました。公開します。
一昨日の記事へのコメントで述べた、き裂深さ2mmと10mmから20mmまで成長するサイクルをプロットした実行画面です。20mmまでを寿命とすると、2mmの時点と10mmの時点では残寿命はおよそ10倍1/10の関係にあることがわかります。
エキスポランドの事故では直径30mm強のねじ部で、2/3ほど疲労き裂が進展して、その後塑性崩壊をしているように見えます。
パリス則についてとソフトウエアのダウンロードは続きで・・・。
| 固定リンク | コメント (6) | トラックバック (1)
エキスポランドでの事故を受けて、全国の同様の施設について、点検が実施されたとされています。探傷検査を実施して「安全を確認できた」として運転が開始されているようです。
きちんとした検査が実施されたと信じたいものです。「磁粉探傷、浸透探傷、超音波探傷」のどれをやるのか、それぞれの方法についても何を基準にしてどのような方法で行うのか検討をされて、徹底されているのでしょうか。
漫然と探傷をしていても、危険の芽を事前につむことは出来ない、という例を。
全長250mm、直径20mmのクロムモリブデン鋼のボルトを、5MHz・振動子直径10mmの探触子で軸方向に超音波を伝搬させて探傷した例です。
ねじを切ってある部分は25mmあり、探触子から5mmの位置にコッターピンを入れる穴が開いています。
今回の事故で疲労破壊したねじの谷の部分に疲労割れがあったとしたら検出できるでしょうか。
コッターピンがなくても、ねじ山が反射源となり割れからのエコーを受信していてもSN比(信号と雑音の比)が小さくなり、探傷は難しくなります。それでも数mmの割れであれば、健全なボルトとの比較をすることで、検出が可能になるでしょう。
このケースではコッターピンの穴があります。5mmからの反射波(エコー)は5の倍数の距離に多重反射の信号が表れます。この穴からの多重反射がノイズレベルを上げてSN比は極端の小さくなっているのがわかるでしょうか。割れを見つけるのはさらに困難です。
| 固定リンク | コメント (11) | トラックバック (1)
| 固定リンク | コメント (5) | トラックバック (1)
大阪府吹田市で起きたジェットコースター事故、1ヶ月経ってやっと破面が公開されました。
この写真はYOMIURIONLINEに掲載されているものです。
大阪府警が公開したようです。こういう写真に著作権があるのでしょうか。私は事故の再発防止という「公」に資するために公的機関が公開した(どこまでもパブリックな)映像に民間会社が著作権を主張することに疑問を抱いています。
さて、この破面についてですが、ライフワークとして鉄道車軸の疲労破壊を研究されていて、海外での公的な鑑定を行っているHirakawa氏がその見解を、このブログに寄せてくれています。
片振り曲げ疲労で、疲労限近い低い応力でゆっくりと穏やかに進行した疲労破壊であることが、この破面から読める、これでよいとのことです。(Hirakawa氏は片振りとはいっていません。お詫びして訂正します。6/7)
後は、電子顕微鏡のレベルでストライエーションが観察できるのか、観察できれば亀裂伸展の時間経過が推定できる、という作業が残されているだけでしょう。
以前にも指摘しましたが、この破断箇所がなぜ破断するような繰り返しの曲げ応力が発生したのか、ここが問題ではないかといい続けえてきました。
この軸(ボギー軸というようです)は本体に圧入されています。圧入で本体にしっかり固定されていれば、破断箇所には曲げ応力の発生は考えにくい箇所なのです。
この件で、毎日新聞の記事に以下のようなものがありました。
| 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (0)
エキスポランド事故の破断した車軸の写真が、やっと公開されました。
この写真は6月4日に北海道新聞のニュースサイトに掲載されていたものです(6月7日現在削除されています)。でもどうして、破面そのものの写真ではないのだろう。取材した記者も、90度回してといってほしい。その破面の様子から、多くのことがわかるのです。記者も、そのくらい勉強をして取材してほしいものです。情報の価値は半減どころではないのです。
| 固定リンク | コメント (12) | トラックバック (0)
報道では、車軸が疲労破壊したとされています。このブログでも車軸と表現してきました。
こちらの記事で、車軸とはいえないのではないかと指摘しています。車輪ユニットとバギー車を接合するボルトではないか、年に1回の探傷検査するとされるJISの規定では、この事故で破損した箇所は対象外と読めないか、ということです。
なるほど、言われてみるとそうかもしれません。私も、当初は車軸といわれているのだから軸に車輪がついていると思っていました。5月12日に軸のCGを作ったあたりから、へんだと思い、取り付け部の様子を知りたいとブログに書いてきました。この軸の取り付けの様子と機能を確信したのは、5月20日ある方からの個人メールによる情報ででした。その後、CGで「車軸」の取り付けを作り、このブログに公開してきました。その後も「車軸」という表現を使ってきました。軸は回転はしませんが、車輪ユニットにはベアリングがつけられていて、わずかに回転してアップダウンやカーブの変化を吸収しています。(画像をクリックしてください。簡単なアニメになっています)
リンク先の記事の筆者が指摘しているように、確かにJISが亀裂点検をすべき箇所である「車軸」から今回の「ボルト」は外れていると読む解釈は成立しそうです。
でも・・・・
| 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (0)
エキスポランド事故で疲労破壊した車軸の非破壊検査では、最優先で行うべきは磁粉探傷です。
磁粉探傷は、強磁性体(磁石につく材料)に適用できます。試験体を磁化すると、割れのある場所から漏洩磁束が発生します。漏洩磁束が発生した場所にはNSの磁極ができていますので、鉄粉をひきつけます。この鉄粉(磁粉といいます)を人間の目に見やすくしておくと、割れのある場所がわかります。
暗い場所でブラックライト(紫外線照射灯)で照らしながら行うのが蛍光磁粉探傷です。この方法は、周囲を20ルックス以下の暗さにして行うことが必要です。このことから日中や屋外ではできないとの誤解が、時々あります。周りを暗くすれば良いのですから、暗幕をかぶればどこでもできるのです。実際、私が現場の検査屋だったころはそうやりました。
それは、蛍光磁粉と着色磁粉では、見え方(コントラスト)がぜんぜん違うからです。写真では、伝わりにくいところがありますが、実物では黒色磁粉など使う気が起きないほどの差です。
なぜ、こんなに差があるのかといいますと、
| 固定リンク | コメント (6) | トラックバック (1)
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
事故で破断した車軸が、どのように本体に取り付けられていたか、力のかかり方もそれによって決まってきます。
一方向だけですが図面を見ることができましたので、CGを作ってみました。想像の部分があるのと、細かい部分は省略していることをお断りしておきます。
青色の部分がバギー車本体。車両ユニットを黄緑にして区別付きやすくしています。車軸は、バギー車本体と車輪ユニットを1本でつないでいて、アップダウンやカーブでのレールのゆがみを吸収するようになっています。
本体側に、車軸は圧入されています。設計上では今回破断した箇所には、大きな曲げ応力はかからないように見えます。(でも破面は曲げ疲労の特徴を示している?)
<エキスポランドの担当者は、当初の記者会見で破断した箇所を車輪ユニット側のねじ部と間違って発表していました。しかし、報道写真の中には、現場で車輪ユニットに車軸がついているのを確認できるものがあります。壊れることを想定していなかったところが壊れた、ここに着目すべきだと思います。
この車軸の取り付けを見て、疲労破壊を心配する箇所に順番をつけるとしたら、今回破断した箇所は何番目ぐらいになるでしょうか。私だったら、この車軸周りに限っても心配なところはいくつも出てきます。どうでしょう。
外側のナットが外れる、あるいは外側のねじ部分が破断したのなら、車軸がレールに引っかかって今回の事故のように大きく傾くことはなかったように見えます。
| 固定リンク | コメント (15) | トラックバック (0)
本の紹介です。
平川賢爾著「ドイツ高速鉄道脱線事故の真相」(慧文社刊)です。1998年6月3日にドイツのミューヘン・ハンブルグ間で起きたドイツ高速鉄道の脱線事故、101人の死者が出た大惨事になりました。この事故をめぐって、被害者への補償問題とは別に、ドイツ鉄道の技術者に対してその責任を問う裁判が開かれましたが、これに日本から専門鑑定員として参加した筆者が裁判の過程を明らかにすることによって、技術者の責任とは何かを問うている本です。
事故の概要から、疲労破壊のメカニズムと実際、破壊力学と非破壊検査(超音波探傷)の限界まで、裁判で焦点となった点を明らかにしています。
そこで常に基準として問題にされているのが、State of the artです。日本語にすると「技術水準」です。鉄道技術者が当時のState of the artに沿う最善を尽くしたか、ここが技術者倫理であるというのです。
| 固定リンク | コメント (9) | トラックバック (1)
エキスポランドで5月5日に起きた事故について何回か連載してきました。情報が限られる中で、推論を交えながら、いろいろなコメントをいただきながら、少しずつ事故原因のありかに近づいてきたような気がしています。
ニュースで流れた映像などを参考にするために保存していますが、この事故直後の記者会見の写真。いくつかの示唆を含んでいるように思えてなりません。(あえて掲載します)
エキスポランドの担当者が、黒板に描いている絵、破断部が車軸の外側のねじ部分になっています。その後、実は破断したのは内側のねじ部であることが公表されるまでに、5日間かかっています。
現場の担当者が、破断部を間違えているのです。実際に破断した車軸をこのとき見ていたのでしょうか?見ずに予断で見解を述べているのでしょうか?見ていて(左右対称ではない)車軸の方向を間違えたのでしょうか?
その意味を考えます。
| 固定リンク | コメント (5) | トラックバック (1)
エキスポランドの事故では、JIS(日本工業規格)によって年1回の探傷検査(磁粉・浸透・超音波)が定められており、これに基づく点検を行っていなかったエキスポランド側に非難が集まりました。
本日の北海道新聞に右のような記事が掲載されました。国土交通省の見解として、ジェットコースターなどの遊具施設が建物扱いであったのを、乗り物として鉄道並に扱う、という趣旨です。その流れは良しとしましょう。でも、その中身は唖然とするものです。
右に掲載したの記事のところです。国土交通省の方やマスコミの人は、非破壊検査員の資格認証はJISで実施されているのをご存じないのでしょうか。「JIS Z 2305 非破壊試験-技術者の資格及び認証」です。参考PDF
3日間の講習で与えられる「遊具施設検査員」にできる探傷検査として、染色浸透探傷を考えているようです。
これってどうなのでしょう。私の考えをは続きで・・・。
| 固定リンク | コメント (8) | トラックバック (0)
車軸の形は、どんなのだろう、それによって探傷試験を適用する際の問題点が浮かび上がります。
あまり情報はないのですが、こちらの記事に掲載されている写真を元にCGで再現して見ました。よくわからないところは、想像で補っています。
車軸はボルト状になっており、両端をキャッスルナットで締めるようになっています。キャッスルナットは、振動によってナットが緩むのを防止するために、西洋のお城の塔のような切込みが入っていて、コッターピンで止めるようになっています。(ゆるみ止め対策もねじのことならこちらの本を参照)
今回破断したのは、内側のねじを切ってある部分の端のようです。断面急変部、本体との取り合いはよくわかりませんが、最大曲げモーメントになるところの応力集中、典型的に疲労破壊が起こりそうな場所です。
このCGで探傷検査におけるいくつかの問題が浮かび上がってきました。
| 固定リンク | コメント (17) | トラックバック (1)
エキスポランドの事故について、疲労破面の様子が明らかになりつつあります。
「折れたのはナットが付いた車軸のいちばん端の部分で、軸の方向に対し垂直に真っ二つに切れたように折れていました。警察が折れた部分の断面に光を当てるなどして調べたところ、断面の4分の3ほどに波状のしま模様が残されていることがわかりました。これは、力が繰り返し加わることで徐々に亀裂が広がる金属疲労に特徴的なもので、警察は、金属疲労が起きて車軸が折れたと断定しました。また、断面の残る4分の1ほどには表面に凹凸がみられるということです。」(NHKニュース)
上記の引用の最後の部分が重要です。最終破面率25%ということです。前回の記事で予想したうち高靭性材料の高サイクル疲労、と考えられます。(注:左の写真は、今回の事故の車軸のものではありません。疲労破面の参考例です。)
とすれば、次のことが言えます。
(1)解体して点検すれば、注意深く見ると目視でも確認できた時期があるはずです。(エキスポランドの行った目視とは、解体もせずに外側から眺めただけ?)
(2)非破壊検査をしていれば、JISに定められた3つの方法のどれを適用しても、ごく早いうちに間違いなく発見できています。(これを見つけられない非破壊検査なんて存在意義がない、とまで言い切れます)
(3)疲労亀裂はこの車軸だけであることは、ほとんど考えにくい。(ほかにもいっぱい出てきて当たり前)
超音波で模擬実験を行った映像は、続きで・・・。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
足掛け3日にわたって、大阪府吹田市で起きたエキスポランドジェットコースターの事故が報道されています。
事故原因が金属疲労だと言われているのですが、なぜか重要な情報が公表されません。「破断面の写真」です。なぜこの情報が重要かというと、事故原因の直接の手がかりであるばかりでなく、全国の同様な施設の緊急点検の目安になるはずだからです。
車軸の疲労破壊であるならば、ある程度勉強をして経験をつんだ人であるならば、顕微鏡に頼らなくとも、マクロ観察で概要はつかめるはずです。
重要な情報は疲労の起点と、疲労破面率(もしくは、最終破面率)です。右の写真(この写真は今回の事故のものではなく、軸の疲労破面の参考例です)では上方と下方に疲労の起点があることがわかります。その下の縞模様は貝殻模様(もしくはビーチマーク)と呼ばれる疲労破面の独特の模様です。(5/21 一部加筆訂正)
| 固定リンク | コメント (11) | トラックバック (0)
大阪府吹田にあるエキスポランドで起きたジェットコースター事故、改めて非破壊検査がクローズアップされています。
事故原因は、車軸の疲労破壊だとされています。エキスポランド側は「目視で十分と」会見をしていました。これは、疲労割れを知らない人の発言ですね。
初期の疲労割れは、人間の目視下限以下の幅です。ミクロンオーダー。少し成長しても同じ材料ですから、コントラストが小さい。鏡面仕上げでもしていなければ、たいていは目視できません。(アルミの疲労割れは鋼に比べると見えやすい)
目視で疲労割れが見えて、それでもまだ大丈夫な材料は、靭性の相当大きな材料です。それは軟らかい材料で強度が低い材料になるのです。疲労破面の写真を公開してほしいです。材料選択の誤りかもしれないのです。
非破壊検査についてです。
スチールの車軸ならば、非破壊検査の優先順位は次の通りです・・・・。
| 固定リンク | コメント (7) | トラックバック (0)
このブログの話題は、あまり一般的ではないかもしれません。今日のは、特に狭いかもしれません。ほとんど自分自身の備忘録です。
溶接部を探傷するのには、横波を伝搬させる斜角探傷を使います。よく使うのは、5MHzで公称屈折角70度の探触子です。
2MHzの探触子(STB屈折角:69.0度 振動子寸法:10×10mm方形 振動子材料:ジルコンチタン酸鉛)を使うと妙なエコーが出てきます。その正体を確かめるために、標準試験片STB-A2にある直径2mm深さ2mmの穴を探触子側において、コーナーからのエコーが出ないように斜め45度方向から狙いました。
100mmぐらいから探触子を近づけたときのエコー高さの軌跡が、右の図の青い線です。面白いなぁ。ジェットコースターのように上下しています。近距離音場のような音圧分布に見えます。
試験体の内部を伝搬した音ではなくて、表面を伝搬した漏洩表面波です。
公称屈折角70度2MHzの斜角探傷では、表面に反射元があればそれからのエコーが出てくる可能性があります。探傷すべき内部と範囲が重なる場合は、判断が難しいことになってしまいます。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
超音波のビームを表示するソフトについて、ケンブリッジ大学の先生と学生さんには評価してもらえたようです。
本来波動方程式から説き起こすところを、単純化した「ホイヘンスの原理」と「重ね合わせの理」だけでシンプルな計算をしています。ビーム形状をインタラクティブに学ぶことを目的にして、表示スピードを30秒以内にするのが開発上の目標でした。こんなのでよいのかと思いましたが、よくわかるし使えるということのようです。
ビームの形状は,、振動子の直径(D)/波長(λ)で決まります。同じ条件でシュリーレン法で撮影された超音波ビームの写真と、「Ultrasonic Beam」で描画した写真を、検証例として送りました。多分先方は、そうした写真は持っているものと想像します。
学生さんの研究に役立ててもらえそうです。ソフトへのリクエストも来ています。この間実は悩んでいたところなのです。やれるかどうか自信はありませんが、まぁチャレンジしてみます。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
日本テレビ系列の「未来創造堂」で、胎児の超音波診断装置「エコー」の開発物語をやっていました。
悪い予感が当たりました。技術の開発物語を取り上げるのに、何が問題であったのかについての「うそ」はすべてを台無しにします。
振動子から発せられる超音波の反射波(エコー)を、横軸(時間経過)と縦軸(音圧)として波形表示させる「Aスコープ」から、人体の内部が直感的にわかる断面画像を得ることが、はじめてこのとき行われたかのようなストーリーになっています。しかし、超音波による人体の断面画像を得る装置は、1954年にアメリカのJ・ワイルドが開発に成功しています。ワイルドは15MHzを使っていたため、減衰が大きく表層部しかか見えないものでした。
1950年には、現在も使われている5MHzの周波数で、和賀井らが超音波断面画像が得られる装置を作っています。(事前の研究はこちらに少し書いています。)
以前にも書きましたが、和賀井たちがなぜ5MHzだったかというと、和賀井の友人が石川島造船にいて、その協力を得て鋼の溶接部を探傷する装置を使って研究をしていたからでした。(偶然の妙)
この物語は、1962年から65年にかけての話です。和賀井はこの物語の主人公竹内と同じ順天堂大学ですし、装置を開発したのは現在のアロカ(株)ですから、このアイデアは明らかに既知だったのです。
胎児診断には、羊水中に浮かぶ胎児から得られる超音波信号が単純ではなかったところに難しさがあったはずです。音速が変化するところで直進せずに屈折して曲がることや、音響インピーダンスが大きく変わらないことから境界からのエコーが小さい、といった点です。竹内久彌と重山貞夫らは、超音波を胎児診断に適用するというアイデアの元に、その困難を解決して、現在普通に行われる胎児の超音波診断につながる礎を築いたのです。
開発者に対する敬意は、その人が解決した課題そのものを想起することが出発点だと思うのです。
すごそうに見せる(番組制作者が描いたストーリーの)ために、先人の業績までその人にあるように描くのは、私は失礼だと思います。
私は、マスコミのこのような安直な「科学技術」に対するかかわりを、「ニセ科学」より以上に腹立たしく思います。担当した制作者は取材をしたのだから、知らないはずがないのです。
| 固定リンク | コメント (7) | トラックバック (0)
私のところで行っている技術教育では、基本をしっかり大切にすることを心がけています。基本というのは、最新技術からは少し遅れたところになります。しかし、日々進展する最新技術も教えておく必要もあります。
そこは人脈で企業の協力をいただきます。本日、フェイズド・アレイ超音波探傷とTOFD(Time Of Flight Diffraction )の講義とデモンストレーションをクラウトクレーマー・ジャパン社に行ってもらいます。昨夕段取りをして、夜懇親と打ち合わせをしてきました。
フェイズド・アレイです。医療分野で行われていることと原理的には同じです。医療分野に比べると探傷分野へのフェイズド・アレイの適用は少し遅れています。相手が硬いことと、のモード変換がおきるところが大きな違いです。しかし、コンピュータ技術の急速な進歩に伴って、探傷の様相も大きく変化していくでしょう。
この装置でも、基本表示(Aスコープ)が同時に表示されています。画像処理された結果だけでなく、ソースとなる波形から判断することが求められます。
講師は颯爽として美しいM女史です。普段の授業とは、一味違ったものになるでしょう。
| 固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0)
もうよく知られていることなのかもしれませんが、Googleで言葉の定義を検索できることを知りました。
たとえば、「define:turbofan」と検索枠に入力をして検索をかけると、Web上にある定義を示してくれます。日本語には、まだ対応し切れていないようです。
「define:ultrasonic」で検索をかけると、このようになります。クリック。
「A sound frequency that's too high for humans to hear」とか
「Referring to sound waves with frequencies higher than those at the upper limit of unimpaired human hearing, usually between 16 and 20 KHz.」
が出てきます。「聞くことを目的としない音」という定義は出てきません。ドイツにいる超音波の専門家に間接的に聞いてもらったところでも、そんな定義は聞いたことが無い、とのことでした。ちなみにドイツでは、可聴音の限界周波数は16kHzだそうです。
ところが日本では、特に今世紀になって出版されている「超音波」本に「聞くことを目的としない音」という定義が多くなってきています。そのような定義をしていない本のほうが少なくなってきています。少し驚いています。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
昨日、「コンピュータが思いがけず描く絵」に彪霧さんから次のようなコメントをいただきました。
コメント****************
はじめまして。
超音波を浴びせることで物体は破壊できるのか?
と思い、「超音波」で検索してここに辿り着きました。
「超音波で物体を破壊する」――世のアニメ・マンガ・特撮モノに多く存在する現象であり、その原理は「物質の固有振動数と同じ周波数の超音波を浴びせることにより対象を破壊する」と説明されます。
が、そんなことは可能なのでしょうか?
そんなことが起こるなら、現実世界でも既に(兵器として)実用化されていそうなものです…。
ド素人の私の手には負えなくなってきたので詳しい方のご意見を頂きたいと思い、書き込みました。SUBALさんはどう思われますか?
*******************
以下、私なりに考えたことです。
| 固定リンク | コメント (10) | トラックバック (0)
1ヶ月前に注文していた本がようやく届いて、読んでいます。和賀井敏夫著「超音波診断法事始」(日本プランニングセンター)です。
これが想像以上に面白い。和賀井氏は、日本で超音波による人体の診断法を開発してきた方です。NHKの「プロジェクトX」でも取り上げられていましたね。
超音波による診断法は、第2次世界大戦後ほぼ同時期に米国・ドイツ・オーストラリアの学者も開発に着手していました。成果が上がるのも少し日本より早いために、超音波診断法の創始者は、世界的にはそれらの国の人だといわれています。
しかし、現在医療分野で使われている超音波(連続波ではなくてパルス波、透過法ではなく反射法)と周波数帯域を最初から使い、現在につながる成果を上げたのは日本のチームでした。
それがなぜかというと・・・・
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
超音波ビームを表示するソフトを少し変えました。
必要があって、グレイスケールで表示するようにしました。白黒印刷用にグレイスケールの画像を取るだけのつもりでしたが、作ってみると意外に気に入りました。
このソフト自体、プログラミングの中で、カラースケールを使えるようになってうれしくて作ったようなところもありました。グレイスケールですと諧調が1/4の256になって狭くなるのです。でも、そんな感じがしません。
シュリーレン法の写真のように見えますし、うるさくなくてシンプルでよいです。
ダウンロードできるようにしました。
| 固定リンク | コメント (8) | トラックバック (0)
J47ターボジェットエンジンのタービンノズルに生じた熱疲労割れです。蛍光浸透探傷検査(Fluorescent Penetrant Inspection)で検出しています。(画像をクリックしてください)
紫外線照射灯(black light)で照射しています。蛍光浸透探傷検査は、航空業界ではよくザイグロ検査と言われることがありますが、ZYGLOはMagnaflux社の商品名で、正式にはこの呼び方はしません。
箱型の車をボンゴというようなものです。(ちょっと古すぎ?)
KADOTAさんと1位・2位になりました\(^-^)/。応援ありがとうございます。
| 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (0)
昨日の記事で紹介した船が真っ二つになった写真は、米国の戦時標準船(リバティー船)のSchenectady号(T-2タンカー)です。
多くの書籍・教科書に掲載されている歴史的な写真です。こちらのサイトを参照してください。
日・独に対抗するために米国が作った大量生産の溶接船。約2700隻のうち1000隻に脆性破壊が起き、そのうち200隻が沈没か全損という、壮絶な破壊事故事例の山となった船のひとつです。
真偽のほどは確かめていませんが、日本の製鋼と溶接の技術が優れていたために、このような脆性破壊事故が起こらず、そのことが破壊力学への関心を薄れさせたひとつの要因、という話を聞いたことがあります。
それにしても、その後のコメット機の事故やF111の事故など、事故後「責任者の糾弾」というよりも事故原因の解明と新たな学問体系を作り上げていく姿勢は感心します。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
JIS Z 8106:2000 「音響用語」を手に入れました。」(当初8106を誤って2300と書いていました。訂正しました。)
「超音波音 可聴音の上限周波数(およそ16kHz)以上の音響振動」
超音波ではなく超音波音です。対応する英語も、「JIS Z 2300」が「超音波:Ultrasonic wave」に対して「JIS Z 8106」では「超音波音:Ultrasound」です。
非破壊検査の分野では超音波はUltrasonic waveですが、医学の超音波検査ではUltrasoundです。
えっ!なにが違うのという感じです。同じStressを機械工学では「応力」というのに対して土木工学では「応力度」というのに事情が似ているのでしょうか?
| 固定リンク | コメント (6) | トラックバック (0)
必要があって改めて「超音波とは何か」を調べています。なにをいまさら、という感じですが、調べてみると結構驚きます。
こういうものはまずJIS(日本工業規格)での定義から・・・。
「超音波 周波数が20kHz以上の音波」(JIS Z 2300)
あっさりとしたものです。私もこの理解でした。20kHz程度が人間の耳で聞くことのできる限界。音波という物質中を伝搬する振動を、周波数で区別して「超音波」「可聴音」「低周波音」と呼ぶ、と理解していました。
ところがこの定義は狭義であって、広義の定義では『超音波とは聞くことを目的としない音』というのがあちらこちらのあることに気づきました。たとえばこちらやこちら。WEB上にあるだけではなく、技術を解説した文献にも同様な記述がありました。
えっ!「聞くことを目的としない音」ならば可聴音領域の周波数でも「超音波」??それはないだろうと思うのです。
窓から2m先に首都高速がある東京の某ホテルの4階の部屋、あそこで夜通し聞かされた騒音、あれは超音波ですか?トラックの運転手も道路公団のお役人もホテル側も、もちろん宿泊客である私も「聞くことを目的とした音」では絶対にありませんでした。
で、もう少し突っ込み。超音波の利用技術は広範に進んでいるといわれています。その中の「超音波カッター」や「超音波歯ブラシ」、これらはどう見ても波として伝搬しているわけではなく、20kHZ以上の振動を与えているだけです。それらの製品の効果を云々するものではありません。でもこれも「超音波」でしょうか。
周波数が低くても「聞くことが目的でなければ」超音波、振動だけでも超音波、とすれば公園のブランコも立派な「超音波ブランコ」になりませんか?
明らかに「ウルトラ」のインフレーションが起きています。「超」は語感が良いですから、商売上ネーミングに使いたくなるのはわかリます。でも技術や科学に携わる者は、それに追随してはいけないと思うのです。
私はウルトラマンの世代ではなく、幻探偵・鉄人28号・鉄腕アトムの世代です。
| 固定リンク | コメント (7) | トラックバック (0)
出張から帰ってきました。石川島播磨重工航空宇宙本部瑞穂工場と三菱重工名古屋誘導推進システム製作所を訪問してきました。
興味深い話はいっぱいあるのですが、ここで書けることは限られます。面白いものもたくさん見てきましたが、写真撮影は禁止でしたのでありません。機上から撮影した1枚です。
どちらの工場でも、私が歩いているとあちらこちらから懐かしい顔が近づいてきました。短い会話や眼差し中に、仕事や今の生活に対するそれぞれの覚悟が伝わってきて久しぶりにいい旅でした。
各職場で非破壊検査を選択してがんばっている卒業生にたくさん会えたのも嬉しかったです。IHIで超音波をやっているS君、忙しそうだったけれど、すれ違い際に元気な笑顔と会釈。MHIでは、ジェットエンジンやロケットエンジンの超音波探傷をしているIくんとは少し長く話せました。語り口のいきのよさが気持ちよかったです。
現場であったH君は蛍光浸透探傷検査の担当だそうで、飄々とLE7の検査をしていました。HⅡAロケットの打ち上げが成功した直後でしたが、すでに次や次の次が準備されていました。
元気がよみがえってきました。
| 固定リンク | コメント (5) | トラックバック (0)
クマさんによるこのコメントを受けて。
フェイズドアレイを始めとして、超音波探傷の結果を分かりやすい断面表示にする技術は開発されいます。
医学の世界での超音波検査では早くから画像化して画像診断が行われています。でもクマさんが言われるように、これもちょっと見た目では分かりませんよね。
画像化することは、広域的に直感的に判断するのに有利です。あまり勉強をしていない素人でも分かりやすくなるようにも見えます。
こちらのページにありますように、医学での超音波診断でも虚像が出ます。サイドローブによるアーチファクトというのが良く出るもののようです。金属ではエッジの回折波も出てきます。
医学の「超音波検査」の教科書を読むと、基本の勉強(例えば超音波のビームについて)が重要だが、おろそかにされがち、と書いてあります。
素人にも分かりやすくするために、虚像を表示画像にでないように処理することも可能でしょう。しかし、そのことによって必要な情報が削除される危険が出てきます。勉強をして訓練をつめば、虚像がむしろ正確な判断の助けになるケースもあります。
私は、超音波探傷の画像化は素人に分かるようにという方向ではなく、訓練を受けたプロの判断を助ける方向になるべきだと考えています。現実には、一知半解でワガママな施主を説得しやすい画像化に向かうんだろうなぁ。
| 固定リンク | コメント (1) | トラックバック (0)
3月に「応力拡大係数と破壊靭性値を理解するソフト」公開していました。特殊な分野なので、見る人もほとんどいないだろうと思っていました。
しかし、「応力拡大係数」をGoogleで検索すると、2番目に現れて、このブログの記事の中では黄金比の記事に続いて訪れてくれる方も多いようです。
ほとんど自分のメモのようなソフトウエアですので、何の解説も注釈もつけていませんでした。「注釈を入れておいたほうが良いかもしれない」とのアドバイスもいただきましたので、少し書きます。
1.これでなにが分かるのか
応力拡大係数というのが、き裂先端近傍の応力場(応力の分布の激しさ)を表しているのだということです。部材にき裂があると強度は低下する、ということは多くを説明しなくても直感的に理解できることでしょう。では、どの程度になるのかというと、応力だけでなくてき裂の長さが関係しそうだ、ということも容易に想像できます。
き裂の存在を無視して求めらられる応力とき裂のサイズによって決まるき裂先端近傍の応力場を、イメージとして表示できるようにしてあります。この応力場の激しさ(これを係数として簡潔に表現したのが応力拡大係数)の程度によって、破壊するかしないかが分かるということです。
左の図で、赤い曲線は応力拡大係数の限界値です。この線を越えると、き裂が急速に進展して破壊に至るということです。画面の上方に、応力場をカラースケールで図示しています。あたかも線香花火の火の激しさのようです。この線上では、き裂のサイズも応力も異なりますが、応力場の激しさは同じになります。
なんだそれだけのことかと感じた方、そうですごめんなさいそれだけです。このことをクリヤーにしたかったのです。
この応力場の表示は厳密解とはずれがあリます。どこがずれるかというと、き裂の最先端とき裂から遠く離れたところ。左の図では、xがゼロに近いかaに比較して大きい範囲では大きくずれます。応力拡大係数が破壊靭性値になる前に壊れる場合も起きるのです。
←1日1回クリックで応援お願いします。しばらくKADOTAさんと2位3位争いをしていましたが、1位の背中が見えてきました。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
卒業生が訪ねてくると、いろいろな情報を教えてもらえます。昨日も、非破壊検査機器メーカー(GEインスペクションテクノロジー)に勤める卒業生がやってきました。
ここ数ヶ月でもドイツ・米国と忙しく飛び回っているようです。フェイズドアレイの超音波探傷器の新製品を持ってきて見せてくれました。
フェイズドアレイというのは、超音波を発信する振動子を小さく分けて、それぞれ振動させるタイミングを細かく変えることで位相制御して、超音波の伝搬の仕方を目的に応じて変えていく新しい技術です。
これまで装置1台が数千万円していたのですが、今度の新製品は数百万円のオーダーになるそうです。
現状の超音波探傷のひとつの難点は、表示の分かりにくさです。横軸が時間=距離を表し、縦軸が音圧を表す基本表示(Aスコープ)を理解するにははある程度勉強が必要です。
駆け出しのころ、超音波探傷をやっているところを1時間見ていましたが、なにをやっているのかさっぱりわからなかった思い出があります。
フェイズドアレイを使った探傷器の一つの機能は断面表示させることです。 まだ、素人が見てすぐに分かる断面表示にはなっていません。超音波の伝搬・反射・回折などの知識があると、なるほどと面白い発見がいくつかありました。
この探傷器にも基本表示が横に出るようになっていました。ここ相当の間、これをなくすわけにはいかないでしょう。
コンピュータ技術の発達に伴って、非破壊検査技術も変化していくようです。
| 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (0)
超音波は、ビーム状に広がりながら伝搬することが知られています。ビームの形状は、振動子の寸法と波長によって決まります。
近距離音場と遠距離音場、指向性を理解することを目的としたソフトを作りました。
超音波探傷レベル2技術者の教育のために使うことを想定しています。学習者がストレスを感じない程度のスピードで描画することを第一優先にしました。
そのために、近距離音場について、そのかたち(相対的な音圧の分布)についてはほぼ満足のいくものですが、音圧の値については厳密性が犠牲になっています。
まだまだ改良点がありそうですが、この時点でフリーソフトとして公開します。ご意見等いただければ嬉しいです。
振動子の寸法、超音波の周波数、伝搬させる物質を変えて超音波ビームのかたちがどのようになるかを試してみてください。
ブログを引っ越しました。
ソフトに関してはこちらへお越しください。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
非破壊検査の領域で、待ち望んでいた本が発刊になりました。書名は、「浸透探傷検査の実際」(アグネ技術センター)。著者は長年原子力発電所などの検査技術の向上に取り組んでこられ、(社)日本非破壊検査協会の元会長でもある三好滋氏です。
浸透探傷検査は、強磁性体である鋼以外の金属(オーステナイト系のステンレス、アルミニウム合金、チタニウム合金、耐熱合金)の表面に開口したきず初期の疲労割れなどを検出するのに有効な方法です。
毛細管現象を使います。
はけとウエスと洗浄剤・たわしやブラシなど、親しみやすい用具を使う方法もあるために、「簡単な検査」という誤解をする人もいます。
実際には、経験と手わざと判断力が最も要求される検査方法です。中でも、浸透指示を観察してそれが何ものかを判断解釈するには、幅広い知識とともに経験の蓄積がものをいってきます。
実際の検査現場で検査技術者は、きずを検出して基準に従って分類するだけの仕事をしている場合が多いでしょう。「原因調査」はやられない場合がありますし、やる場合でも現場の検査技術者に知らされないことのほうが多いのです。また、「原因調査」をする人は、現場で欠陥が見つけられる様子を知らないこともあります。これでは、年数を重ねて多くの現場を踏んでも、経験は技術として蓄積されてゆきません。
三好氏は、専門である冶金学の知識をベースにして、数多くの現場事例を集積してこられて、講習会ではその一端を披露することはありました。
私は、年に数回お目にかかることがありますので、一般の技術者が参考にできるように出版してください、とお願いをしてきました。「こういうものは文章化するのは難しいのだよ」と言われていました。今回、170枚を超える写真とともに筆者の長年の研究成果がまとめられています。
検査技術者はもちろん、構造物の安全にかかわっている方に、手の届く範囲に本書を置くことをお勧めします。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
昨日の記事で、紫外線に当てると紫外線を可視光線に変えて放射する蛍光物質がお札のインクに使われている、という話を書きました。暗闇にそこだけが光りますから、とても目立ちます。
この性質は、見えないもの見えにくいものを見つけることに使えます。何らかの方法で、探したいけれど眼に見えないものの近くにだけ、蛍光物質が集まるようにすればよいわけです。
非破壊試験のひとつである蛍光磁粉を使う磁粉探傷試験を紹介します。次の写真は、その実施例です。ここでは、鋼製の歯車にある割れを見つけます。この歯車には、数箇所割れが入っていますが、われの幅が非常に狭いのと色の違いが無いので、肉眼ではよくわかりません。
調べる鋼製の歯車に、電流を通すための銅棒を刺して、電極の間に挟みます。電流の周りには、磁界が生じます。磁界の中では、鋼製のものは磁化されます。磁化というのは磁石になる、ということです。
蛍光物質で包んだ鉄粉を水に分散させた検査液を、静かにかけます。
鉄粉といっても、実際には水の中でも錆びないように、磁石に吸引される酸化鉄が使われています。
部品に割れがあると、割れ近くに磁極(N極とS極)ができるます。検査液を静かに流してやると、鉄粉はしだいに磁極にひきつけられて吸着します。紫外線照射灯(ブラックライト)で照らしていると、割れの近くが光り始めます。
航空機では、ほとんど鋼は使われていません。しかし脚(ランディングギヤ)はアルミニウム合金に置き換えることはできないために、ニッケル・クロム・モリブデン鋼が使われています。右の写真は、大型旅客機のランディングギヤ部品に生じた熱疲労割れを、磁粉探傷試験で検出したものです。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)
明かりを落として1万円札を紫外線照射灯で照らすと、印鑑の部分が黄色に光ります。また、福沢諭吉さんの右背後ほか数箇所が光ります。もしそうならなければ、偽札です。
インクに蛍光物質が入っています。
人間の眼に見える可視光線は、波長が400~800nmの範囲にある電磁波です。400nmより少し波長の短い電磁波は、紫外線と呼ばれて、人間の眼には見えません。
蛍光物質は、紫外線を受けると波長を長くして可視光線の範囲に変えて反射します。暗い環境では、そこだけが怪しく光ることになります。
例えば、お札をスキャナーで画像として取り込んで精巧に印刷したとしても、紫外線照射灯(ブラックライト)ひとつでニセモノであることを見破れます。
お札の印刷技術は、偽札を作ろうとする「技術」に常に先行していなければならない運命にあります。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
JAXAの「複合材技術開発センター」に行ってきました。先ほどNHK教育の番組「サイエンスZERO」を見ていたら、眞鍋かをりが訪問してレポートしていましたね。
炭素繊維複合材(CFRP)が航空機材料として多く使われるようになってきています。次世代旅客機であるボーイング787ではほとんどCFRPです。
ここのセンターでは、様々な研究を行っているようですが、メインは、CFRPの強度に関するデータベースを作ることだそうです。
引張り試験をしているところです。CFRPは温度や湿度によって強度が大きく変化します。この試験機では、後方にあるボックスが出てくることで、温度は-70~+150℃、湿度は30~95%、の範囲で環境を変化させて試験ができます。
破断した試験片です。試験片は長方形の板状で、チャックではさむところには、紙やすりで巻くようにしてありました。金属の引張り試験のように断面積の小さい部分を作らないのですね。
複合材ですから、繊維方向をどのように組み合わせるかによって当然壊れ方も違ってくるでしょうが、この写真では、最大せん断応力の面で壊れていますね。この写真だけで1時間の授業ができそうです。
軽くて丈夫、成型も難しくない、良いことだらけにみえるCFRPもこれから多用されていくことによって、思わぬことが原因で壊れることがあるかもしれません。あまり知られていませんが、9.11テロの2ヵ月後、ニューヨークの住宅街に墜落したAmerican Airlines Flight 587 の事故は、史上はじめて複合材の破壊が起点となった旅客機事故でした。事故原因の解明もその後の対策も、もちろん設計でも、信頼できる材料のデータベースが不可欠です。
他の見学場所に比べて、どう見ても地味でしたが、ここが一番興味深かったという学生もいて、それがなんだか嬉しかったですね。
私としては、CFRPの非破壊検査は超音波がメインになってきますから、その研究も行われていると聞いていたので、それが見れなかったのが残念でした。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (2)
ジャンボジェット旅客機が墜落して、520人が犠牲となった事故から今日で21年です。
21年前の夏、私は北海道石油共同備蓄基地のはじめてのタンク開放(T-8)工事が大失敗して、その後始末を文字どうり不眠不休で取り組んで、へとへとになってやっと終わったところでした。24時間の現場仕事のあと8時間休んでそれから36時間の連続作業・・・それが終わりではなく地獄の1丁目でした。そのときそれぞれの立場で力をつくした人たちには、変な友情のようなものが生まれました。その後、タンク開放工事の革新を成し遂げるエネルギーになりました。
非破壊検査にかかわってきましたから、JAL123便の事故とその原因については関心を持ってきました。事故調の報告書の不徹底さから、巷には原因に関する「諸説」が流されています。怪しい珍説もたくさんあります。
今年発刊された1冊の本を紹介します。
寺田博之著「わかりやすい構造破壊の防止技術-破壊力学の基礎から学ぶ」(養賢堂)です。筆者である寺田氏は、元航空宇宙技術研究所(NAL)業務部長で、航空機構造破壊の専門家です。ボーイングの修理ミスが実際に破壊事故につながるかを、世界で最初に計算で明らかにした方です。事故調の委員の中には、この計算をできる人はいなかったそうです。
この本の中を注意深く詠むと、数箇所に分散して123便の事故について記述されています。この事故の破壊力学による解析結果を、最前線の研究者が明らかにしている、という点だけでも本書を読む価値があります。
何の知識のない人にとって「わかりやすい」かどうかというと、そうではありません。ただ、破壊力学の現状を実際の現場で、ごまかすことなく明らかにしているという点で「わかりやすい」と思います。
寺田氏は、この本に関する私からの質問に実に丁寧に答えていただきました。破壊力学をどのように勉強していくか、方向は分かってきました。
ただ、現状の破壊力学がき裂のある部材を、現場の技術者が実際の構造部材を前にして評価していくというところまで成熟はしていない、ということも明らかになりました。123便でのき裂の進展とその破壊に関する計算が、材料は航空機材料としてはよく使われるものであり、荷重条件としてもそう複雑でもないにもかかわらず、寺田氏クラスの研究者にしかできないという点に、破壊力学の現在があると思います。寺田氏のこの本の執筆意図は、このような現状に穴を開けたい、というところにあるのだと思います。
失敗から学び、再び繰り返さない、地道な男たちの奮闘のひとつがここにあります。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
超音波探傷をはじめとした非破壊検査が本業です。
技術者教育を模索する中で、はじめて超音波探傷を学ぶ人のためにソフトウエアを作リました。(社)日本非破壊検査協会から「超音波探傷入門」というテキスト本とともに発売されています。
超音波探傷に必要な基礎知識を、CG・アニメーションを使って、クリックしながら双方向で学べるようにしています。
また、垂直探傷や斜角探傷をパソコン上のバーチャル探傷器を使って体験できるようになっています。
航空機の材料に複合材が使われるようになって超音波探傷の重要性が増しています。発電所などでも損傷許容設計の考え方を採用するようになって、ここでも超音波が活躍します。
検査技術者になる人だけでなく、構造の安全にかかわる人、関心がある人は、超音波探傷について概要を知っていてほしいと思います。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
日本非破壊検査協会から「石井賞」をいただきました。
「石井賞」というのは、元東京工業大学教授石井勇五郎先生の発案で、非破壊検査技術の創意工夫・発展に功績のあった人に与えている賞です。
そういう賞があるのは知っていましたが、まさか自分がもらえるとは思っていませんでした。
素直に嬉しいです。技術の分野にかかわっているものとして、その分野で認めていただけたことに感慨深いものがあります。いただいた純金のメダルは、生涯の宝物です。
一人の失業者として、有効求人倍率0.24でろくな仕事がなくて困っていたとき、苫小牧市の職業安定所のカードに書いてあった「非破壊検査技術者」の文字を見て「????? なんだろう?」と思ったときから、ちょうど25年になります。失業者からその分野に紛れ込んだ「変な奴」も、暖かく迎え入れてくれている日本非破壊検査協会(JSNDI)の諸先輩と仲間に感謝します。
非破壊検査に携わっている卒業生諸君。頑張っているといい事もありそうだぜ。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)
き裂のある部材がどの程度危ないのかを判断するために役に立つ係数として「応力拡大係数」があります。線形破壊力学のキー概念です。簡単な形状でとりあえず計算するだけなら、シンプルな式で表すことができるのでさほど難しくはありません。でも、いったい「応力拡大係数」って何者?と疑問を発すると、もやもやとして分からなくなります。ここは「私は」と主語を入れておかなければならないところです。
参考文献を読んでも分からないことがあると、私はよくノートに自分なりの理解を書いてみて(書いている過程で頭の中がが整理されることがある)改めて文献を読んだり、人に聞いたりして理解を深めることをやります。
最近は、ノート代わりにパソコン上で動作するソフトウエアを作ることがあります。うまくはまると、ノートを作ることに比べてはるかにダイナミックに「分かった!」となることがあります。抽象的な論理だけではどうしても理解できない頭脳構造のようで、遠回りをするしかないのです。
「応力拡大係数」を理解するためのソフトを、そんなわけで作りました。これですべて分かったのか、というとそうはいきませんでした。ひとつの壁は突き抜けることができましたが、その先に疑問という名の石がゴロゴロ転がっていることに気づいたというところです。
何人かの方に見てもらいましたが、「フリーソフトとして公開しないのか」という問い合わせをいただきましたので、御批判を前進の糧とする覚悟で公開することにしました。
破壊力学のテキスト(小林英男著「破壊力学」(共立出版)の第4章等)を読みながら、ソフトを使ってみてください。
|
破壊力学 著者:小林 英男 |
VB6で作っていますので、OSはWindowsに限られます。実行(EXE)ファイルをダウンロードできるようにしています。ごく小さい確率ですが、VBのランタイムがないために動作しないことがあります。その場合は申し訳ありません、どこかでVBのランタイムを手に入れてください。別のパソコンで実行してみる、という方法が一番早いかもしれません。
追記(0612/16):簡単な解説と注釈をこちらに書きました。
○LZHで圧縮したファイル
解凍ツールはこちらから。
○ZIPで圧縮したファイル
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
日本非破壊検査協会から「非破壊検査入門」というDVDが発売になりました。非破壊検査というのは、ものを壊さずに部品や構造体にある目にみえない有害なきずを検出する技術です。超音波・X線・磁気・電磁誘導・毛細管現象など使えそうな物理現象を総動員します。「安心・安全」を支える技術として、今後重要性を増していくと思います。
目次
第一部 (総論) 10分
非破壊検査の定義と重要性、試験方法の選択、「技術者、機材、試験手順」の確認
第二部 (各論) 48分
1 目視試験(VT)
2 磁粉探傷試験(MT)
3 浸透探傷試験(PT)
4 渦電流試験(ET)
5 放射線透過試験(RT)
6 超音波探傷試験(UT)
7 アコースティク・エミッション試験(AET)
8 その他の試験(地中レーダー・赤外線サーモグラフィー・漏れ試験)
9 ひずみ測定
10 コンクリート構造物の非破壊試験
それぞれに、原理・現場での適用例などをCGや動画で紹介しています。
私は編集委員として、超音波探傷部門を担当しました。ANA原動機センターに協力していただいたジェットエンジンの検査では教え子が登場しています。
このDVD、文部科学省選定の教材になっていますが、「文部科学省選定(工業高校・青年向・成人向)」という表示になっています。「成人向」となると、何かやばそうなニュアンスがありますが、子どもが見ても「劣情」をもよおすことはありませんので、よろしく(笑い)。
日本非破壊検査協会の案内と購入の申し込みは、こちらまで。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
超音波ビーム形状を表示するソフトについて「北海道機械工業会 第26回検査技術研究会」で発表してきました。概ね評判は良かったけれど、やはり近距離音場については議論になりました。難しいところだけれど、フェイズドアレイによる超音波探傷の教材を作っていくことを考えると、まじめに考えないといかんかな。
振動子径の違いによるビーム形状と、周波数の違いによるビーム形状の図を掲載します。 いずれも媒質は鋼を想定しています。
JSWの田中氏の発表の中にあった、端部エコー法で捉えられる限界の割れ開口幅の話は、とても興味深いものでした。
今日は収穫が多かった。
追記:こちらでソフトを公開しました。(12/8)
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
超音波は、車のヘッドライトのように、ビーム状に広がって進みます。
ビームの形状は音源である振動子の寸法と波長によってきまります。超音波探傷をする際に、超音波のビームがどのようになっているのか、直感的にイメージできるように、色々と条件を変えてみることのできるソフトを作りました。近距離音場・遠距離音場・指向角など超音波音場の概念をビジュアルに学ぶことができます。
図はその実行画面です。振動子寸法・周波数・伝搬する物質を変えて、1368通りのビーム形状を確認することができます。
苦労したのは、操作者にとってストレスのないスピードで描画すること。
4年前のパソコンで15~20秒で描画できるようにしました。
3月の研究会で発表します。
このソフトこちらで公開しました。(12/9)
超音波探傷入門ソフト ←以前に作ったソフト
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
最近のコメント