2007年9月 3日 (月)

ワッシャーが無いと抜けるボルト???

中華航空機の炎上事故は、トンデモ事故の様相を呈しています。

NHKのニュースでは、ボーイング737の1998年以降に製造された機体では、スラットアームのボルトのサイズが変更されて、ワッシャーが無いとボルトが抜け落ちる構造になっていたというのです。

NHKのニュースのレベルは低くなっていますから、報道ミスかもしれないという疑いの目は必要でしょうが、驚きです。

ヒューマンエラーとかフェイルセーフとかが語られていましたが、それ以前でしょう。この報道が本当だとすると、「トンデモ設計」じゃぁありませんかね。

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2007年8月31日 (金)

ワッシャーがなかったからボルトが外れた?

沖縄で炎上した中華航空機事故。ボルトが外れて、スラットを格納するときに燃料タンクを破ったことが原因だったことが明らかになっています。

ANKの機体でも、ワッシャーが取り付けられていない機体があることが明らかになりました。

China でもですね。ワッシャーが取り付けられていなくてもボルトは外れないですよ。中華航空機ではダウンストップと呼ばれる部品が付いていなかったことが致命傷になっています。どんなカタチになっているのかわかりませんでしたが、航空局の事故調が公開した画像で大体わかりましたね。

ワッシャーの次についているたて筋の付いている部品。Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの3段階があるようです。スラットを出し切ったときの位置を数㎜の範囲で60度回転させることで微調整する役割がありそうです。

中華航空機ではこの部品が取り付けられていなかったことでボルトが抜け落ちているわけです。

ANKの機体ではこの状態からではボルトが抜けることはありません。

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2007年8月24日 (金)

ボルトが燃料タンクを突き破る

那覇空港での中華航空機炎上の原因が特定されたようです。

スラットのトラックにつけられていたボルトが外れていて、これが燃料タンクを破ったとのことです。

これですと、着陸してからスラットを格納するときに燃料タンクを突き破ったと考えれれて、誘導路を走っている間にももれていたでしょうけれど、駐機場で火災になったという流れは、説明が付くでしょう。

それにしても、またボルトです。ボルトにはナットが付いていた、とのことです。

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2007年8月23日 (木)

フェールセーフ設計の落とし穴 ジェットエンジンの脱落

昨日紹介した「破壊事故-失敗知識の活用」の内容からです。

1992年イスラエル国営航空のボーイング747型機(通称ジャンボ)が、アムステルダムのスキポール空港を飛び立って、右翼のエンジン2基が脱落して、空港付近の高層団地に墜落激突する事故がありました。

この事故についてはぼんやり記憶がありましたが、その意味は知りませんでした。「破壊事故-失敗知識の活用」をよむと、なるほど、フェールセーフ設計の限界を象徴する事故であったことがわかりました。

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2007年8月22日 (水)

「破壊事故-失敗知識の活用-」

新刊本の紹介です。

破壊事故―失敗知識の活用 破壊事故―失敗知識の活用

販売元:共立出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

破壊力学の日本における第一人者である小林英男(横浜国立大学教授 元東工大教授)氏の編集で、材料にかかわる破壊事故を体系的にまとめた本です。

こういう本が出版されるのを待っていました。執筆者のお一人から送っていただきました。とてもありがたいです。

29の事例について、事実・原因・対策・エピソードが大変読みやすく書かれています。ただ事例を集めただけではなく、材料が原因で起こりうる事故例として分類してまとめられています。ここまでまとまった本を、私は知りません。

目次を紹介します。

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2007年8月21日 (火)

航空機炎上

沖縄那覇空港での中華航空機の炎上爆発事故の原因解明は、今日の時点では大きな進展はないようです。

ただ、滑走路・誘導路には大きな燃料漏れの後はない。整備士の証言によると、エンジンを吊っているパイロンの近くから燃料漏れがあったとのことです。

ウーン、突然の燃料噴出し、何があったのでしょう?

NHKテレビでは、ガソリンとジェット燃料に室内の常温で火をつけてジェット燃料に火がつかない、とやっていました。灯油ですから当たり前ですよね。でも、沖縄の地面温度を想定して引火実験をやらないのでしょう。引火点は38℃ですからね。

鋼とジュラルミンを火で熱する実験(?)もやっていました。ジュラルミンといってもアルミニウムの合金ですからね。融点は660℃です。溶け落ちるのは、ある意味当たり前なのです。

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2007年8月20日 (月)

沖縄で中華航空機炎上

仕事から帰ってニュースを見ると、沖縄那覇空港で中華航空のB737-800が炎上、とのニュースをやっていました。空港で飛行機が爆発する衝撃的な映像が何度も流れていました。

燃料が何らかの原因で漏れて火がついたということは間違いないでしょう。ジェット燃料はケロシン(灯油)系(JET A-1)かワイドカット(ガソリン成分が入っている)系(Jet B)のどちらかですが、旅客機ではケロシン系でしょう。Jet A-1だとすると引火点は38℃です。

沖縄の滑走路上では、地面は38℃は軽く超えているでしょう。気温でそのくらいあるかもしれません。地面に落ちた燃料は気化しますが、引火点を超えていますから何か点火源があれば火がつきます。石が落ちた程度の火花でも良いし、静電気のスパークでも十分です。

着陸した直後の車輪のブレーキ部分は、数百度になっていますからこれに気化したガスが接したら火はつきます。

Newsweek1問題は、なぜ燃料が漏れたか、そして駐機場に来るまでなぜ気が付かなかったかです。駐機場でいきなり漏れ始めたとは考えにくいです。

乗客をいち早く機外に出すシステムは、うまく機能したようです。死傷者が出なくて良かった。

こういう事故こそ徹底して深く原因が究明されていくべきでしょう。

中華航空は「危ない航空会社ランキング」ではどのくらいかは、続きで・・・。

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2007年8月12日 (日)

中島飛行機が所有していた金鉱山

昨日、支笏湖畔にあった金鉱山について少し書きました。

ネットで検索したところ、千歳市史編集委員会専門部員守屋憲治氏が書いた「美笛‐千歳鉱山専用軌道の一考察」という文書を見つけました。

それによると、昭和8年に金鉱脈が発見され、最初に中島飛行機のグループ中島商事が所有、その後所有者は変りますが、昭和11年から昭和61年まで50年間に「金約20tと銀約90tを産出した」とのことです。隼や零戦などを作ったあの中島飛行機は金山を持っていたんだ。

金の価格は現在およそグラムあたり2800円。20tですと、560億円。銀の価格はグラム55円として、約50億円。現在の価格にして600億円を超える産出があったのですね。

最盛期には千歳村人口の35%にあたる5000人の鉱山町があったとのことです。以前苫小牧市の資料を見たときには、映画館まであったとのことでした。

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2007年8月 9日 (木)

エキスポランド事故の原因は解明されたのか?

エキスポランドが営業を再開するそうです。それ自体はどうということもないのですが、ニュースを見ていると、検査担当者数人の「業務上過失致死」での送検とあわせて、この事件はこれで終わりという雰囲気です。

この事故の原因は「金属疲労」ということで片付けられています。でも・・・。

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2007年8月 5日 (日)

水晶振動子の超音波探触子

ドイツにある某超音波探傷の研究所に勤めている友人(知人かな?)から、水晶を振動子として使っている超音波探触子が送られてきました。

Quartz_transduce 水晶は、キューリー兄弟が発見した圧電材料で、超音波の利用技術の始まりとなったランジュバンも水晶を使ってランジュバン型振動子を作りました。

でも現在では、超音波探傷に使う振動子材料はほとんど100%といっていいくらいPZT(ジルコンチタン酸鉛)です。

もう、かれこれ四半世紀この技術に携わっていますが、水晶振動子の探触子を見たことはありますが、仕事で使ったことはありません。

水晶を使った探触子には、試験体の金属を電極として使うためのスプリングが出ています。おそらく試験体上でこすることに耐える電極を貼り付けることが難しかったのでしょう。

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