2007年9月 3日 (月)

ワッシャーが無いと抜けるボルト???

中華航空機の炎上事故は、トンデモ事故の様相を呈しています。

NHKのニュースでは、ボーイング737の1998年以降に製造された機体では、スラットアームのボルトのサイズが変更されて、ワッシャーが無いとボルトが抜け落ちる構造になっていたというのです。

NHKのニュースのレベルは低くなっていますから、報道ミスかもしれないという疑いの目は必要でしょうが、驚きです。

ヒューマンエラーとかフェイルセーフとかが語られていましたが、それ以前でしょう。この報道が本当だとすると、「トンデモ設計」じゃぁありませんかね。

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2007年8月31日 (金)

ワッシャーがなかったからボルトが外れた?

沖縄で炎上した中華航空機事故。ボルトが外れて、スラットを格納するときに燃料タンクを破ったことが原因だったことが明らかになっています。

ANKの機体でも、ワッシャーが取り付けられていない機体があることが明らかになりました。

China でもですね。ワッシャーが取り付けられていなくてもボルトは外れないですよ。中華航空機ではダウンストップと呼ばれる部品が付いていなかったことが致命傷になっています。どんなカタチになっているのかわかりませんでしたが、航空局の事故調が公開した画像で大体わかりましたね。

ワッシャーの次についているたて筋の付いている部品。Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの3段階があるようです。スラットを出し切ったときの位置を数㎜の範囲で60度回転させることで微調整する役割がありそうです。

中華航空機ではこの部品が取り付けられていなかったことでボルトが抜け落ちているわけです。

ANKの機体ではこの状態からではボルトが抜けることはありません。

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2007年8月24日 (金)

ボルトが燃料タンクを突き破る

那覇空港での中華航空機炎上の原因が特定されたようです。

スラットのトラックにつけられていたボルトが外れていて、これが燃料タンクを破ったとのことです。

これですと、着陸してからスラットを格納するときに燃料タンクを突き破ったと考えれれて、誘導路を走っている間にももれていたでしょうけれど、駐機場で火災になったという流れは、説明が付くでしょう。

それにしても、またボルトです。ボルトにはナットが付いていた、とのことです。

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2007年8月23日 (木)

フェールセーフ設計の落とし穴 ジェットエンジンの脱落

昨日紹介した「破壊事故-失敗知識の活用」の内容からです。

1992年イスラエル国営航空のボーイング747型機(通称ジャンボ)が、アムステルダムのスキポール空港を飛び立って、右翼のエンジン2基が脱落して、空港付近の高層団地に墜落激突する事故がありました。

この事故についてはぼんやり記憶がありましたが、その意味は知りませんでした。「破壊事故-失敗知識の活用」をよむと、なるほど、フェールセーフ設計の限界を象徴する事故であったことがわかりました。

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2007年8月22日 (水)

「破壊事故-失敗知識の活用-」

新刊本の紹介です。

破壊事故―失敗知識の活用 破壊事故―失敗知識の活用

販売元:共立出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

破壊力学の日本における第一人者である小林英男(横浜国立大学教授 元東工大教授)氏の編集で、材料にかかわる破壊事故を体系的にまとめた本です。

こういう本が出版されるのを待っていました。執筆者のお一人から送っていただきました。とてもありがたいです。

29の事例について、事実・原因・対策・エピソードが大変読みやすく書かれています。ただ事例を集めただけではなく、材料が原因で起こりうる事故例として分類してまとめられています。ここまでまとまった本を、私は知りません。

目次を紹介します。

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2007年8月21日 (火)

航空機炎上

沖縄那覇空港での中華航空機の炎上爆発事故の原因解明は、今日の時点では大きな進展はないようです。

ただ、滑走路・誘導路には大きな燃料漏れの後はない。整備士の証言によると、エンジンを吊っているパイロンの近くから燃料漏れがあったとのことです。

ウーン、突然の燃料噴出し、何があったのでしょう?

NHKテレビでは、ガソリンとジェット燃料に室内の常温で火をつけてジェット燃料に火がつかない、とやっていました。灯油ですから当たり前ですよね。でも、沖縄の地面温度を想定して引火実験をやらないのでしょう。引火点は38℃ですからね。

鋼とジュラルミンを火で熱する実験(?)もやっていました。ジュラルミンといってもアルミニウムの合金ですからね。融点は660℃です。溶け落ちるのは、ある意味当たり前なのです。

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2007年8月20日 (月)

沖縄で中華航空機炎上

仕事から帰ってニュースを見ると、沖縄那覇空港で中華航空のB737-800が炎上、とのニュースをやっていました。空港で飛行機が爆発する衝撃的な映像が何度も流れていました。

燃料が何らかの原因で漏れて火がついたということは間違いないでしょう。ジェット燃料はケロシン(灯油)系(JET A-1)かワイドカット(ガソリン成分が入っている)系(Jet B)のどちらかですが、旅客機ではケロシン系でしょう。Jet A-1だとすると引火点は38℃です。

沖縄の滑走路上では、地面は38℃は軽く超えているでしょう。気温でそのくらいあるかもしれません。地面に落ちた燃料は気化しますが、引火点を超えていますから何か点火源があれば火がつきます。石が落ちた程度の火花でも良いし、静電気のスパークでも十分です。

着陸した直後の車輪のブレーキ部分は、数百度になっていますからこれに気化したガスが接したら火はつきます。

Newsweek1問題は、なぜ燃料が漏れたか、そして駐機場に来るまでなぜ気が付かなかったかです。駐機場でいきなり漏れ始めたとは考えにくいです。

乗客をいち早く機外に出すシステムは、うまく機能したようです。死傷者が出なくて良かった。

こういう事故こそ徹底して深く原因が究明されていくべきでしょう。

中華航空は「危ない航空会社ランキング」ではどのくらいかは、続きで・・・。

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2007年8月12日 (日)

中島飛行機が所有していた金鉱山

昨日、支笏湖畔にあった金鉱山について少し書きました。

ネットで検索したところ、千歳市史編集委員会専門部員守屋憲治氏が書いた「美笛‐千歳鉱山専用軌道の一考察」という文書を見つけました。

それによると、昭和8年に金鉱脈が発見され、最初に中島飛行機のグループ中島商事が所有、その後所有者は変りますが、昭和11年から昭和61年まで50年間に「金約20tと銀約90tを産出した」とのことです。隼や零戦などを作ったあの中島飛行機は金山を持っていたんだ。

金の価格は現在およそグラムあたり2800円。20tですと、560億円。銀の価格はグラム55円として、約50億円。現在の価格にして600億円を超える産出があったのですね。

最盛期には千歳村人口の35%にあたる5000人の鉱山町があったとのことです。以前苫小牧市の資料を見たときには、映画館まであったとのことでした。

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2007年8月 9日 (木)

エキスポランド事故の原因は解明されたのか?

エキスポランドが営業を再開するそうです。それ自体はどうということもないのですが、ニュースを見ていると、検査担当者数人の「業務上過失致死」での送検とあわせて、この事件はこれで終わりという雰囲気です。

この事故の原因は「金属疲労」ということで片付けられています。でも・・・。

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2007年8月 5日 (日)

水晶振動子の超音波探触子

ドイツにある某超音波探傷の研究所に勤めている友人(知人かな?)から、水晶を振動子として使っている超音波探触子が送られてきました。

Quartz_transduce 水晶は、キューリー兄弟が発見した圧電材料で、超音波の利用技術の始まりとなったランジュバンも水晶を使ってランジュバン型振動子を作りました。

でも現在では、超音波探傷に使う振動子材料はほとんど100%といっていいくらいPZT(ジルコンチタン酸鉛)です。

もう、かれこれ四半世紀この技術に携わっていますが、水晶振動子の探触子を見たことはありますが、仕事で使ったことはありません。

水晶を使った探触子には、試験体の金属を電極として使うためのスプリングが出ています。おそらく試験体上でこすることに耐える電極を貼り付けることが難しかったのでしょう。

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2007年8月 2日 (木)

ブリッジコンテスト報道とミネアポリス橋崩落

つまようじブリッジコンテストを終わらせることについての記事が、毎日新聞の夕刊に掲載されていました。

こちらのサイトにも掲載されています。

新聞のほうでは、米国ミネソタ州ミネアポリスで起きた橋崩落の事故と並んで掲載されています。楽しみながら構造を学ぶイベントと、死者も出ている事故報道が並んでいるのは、何か複雑な気持ちになります。

Sons この橋崩落、突然起きたようですね。原因はこれから解明されていくのでしょうが、報道を見ていて思い出すのが、1994年韓国のソウル市で起きた聖水(ソンス)大橋の崩落事故です。

聖水大橋の崩落事故は、内部から疲労亀裂が進展して行った珍しい例です。ほとんどの疲労割れは、表面に発生して内部に向けて進展していきます。

なぜそんなことが起きたのかというと、

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2007年7月21日 (土)

超音波による霧とトルネード

一昨日、愛知県豊橋市にある本多電子株式会社を訪問してきました。

Hondadenshi 本多電子さんは、超音波技術に関して幅広い開発を行っており、本社内に「超音波科学館」を設置しています。

予想どおり面白かったですね。超音波を体感できるようになっています。愛地球博用に作ったものは、子供でも超音波を楽しめるようになっています。

実験研究としては成功したが製品には至っていないという技術も展示してあって、面白かったです。(最後にアンケートを書くのだけれど、『超音波をこんなものに使えそうというアイデアはありますか?』という質問項目がありました。ここにこの企業の超音波技術に対するスタンスが見えて、いいなぁと思いました。)

ここで勉強した内容は、執筆中の本に反映するとして、今日は超音波による霧化について紹介します。

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2007年7月 4日 (水)

牛肉を超音波で判定

牛肉の質を超音波で判定するという記事がこちらのサイトで紹介されています。こちらのブログで紹介されていて知りました。

生体の中で超音波は、透過・反射・屈折の挙動をします。反射と透過は、音響インピーダンスに影響されます。音響インピーダンスは、音を伝える物質の音速と密度の積です。

Pig 音響インピーダンスの差が大きいほど反射しやすくなり、小さいほど透過しやすくなります。

左は、「超音波便覧」(丸善)に掲載されていた、豚の肝臓・脂肪のの割合と音速の関係です。このようなデーターの蓄積は進んでいるようです。

Jing 生体の音速は水の音速に近く、組織によって微妙に異なります。映像に映っていたのは人体に使うアレイ探触子に良く似たものでした。そうすごい技術とは思えませんでした。傍らにあったダイヤル式チャンネルが付いたテレビに目が行ってしまいました。(写真は何の関係もありませんが、正しいジンギスカンなべの始まり方です)

昨日のNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」 では、外科医幕内雅敏氏の肝臓がんの手術の様子を放映していました。

それにしても、人間の肝臓の中から100個近い悪性腫瘍を切り出す手術はすごかったです。

術前も術中も超音波で悪性腫瘍を確認していました。開腹して、肝臓に直接超音波プローブを当てていました。きれいな断面映像が映っていました。ガン組織とそうでないものをどのように区別をしているのでしょうか。

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2007年7月 1日 (日)

ステルス爆撃機と蛾

この前の記事で、蛾のかたちが超音波による探査から身を隠すものではないか、と書ききました。

それってステルスということですよね。勘のよい方からコメントが寄せられました。

  蛾を観察していると、たとえばススメガの仲間はステルス爆撃機のB-2によく似ていると思うのです。

St5色情報を取り去ってモノクロにしてみました。どうでしょう。

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2007年6月30日 (土)

蝶と蛾 かたちのココロ

超音波に関する書籍を執筆しています。年末発刊を目標にしています。

その中で動物の超音波も取り上げていますが、定番はコウモリとイルカでしょう。どちらも調べれば調べるほど面白いです。捕食関係にあるコウモリと蛾の超音波をめぐる攻防については、書籍のほうに書いておきました。今日は、そこからはみ出してしまった蛾のかたちについて。

蛾と蝶は、夜行性と昼行性、触角の形、色の派手さ、胴の太さなど区別が容易だと思っていたら、どれも決め手はなく鱗翅目(りんしもく)の中の科の違いでしかないということのようです。

Ga 例外があるとはいえ、夜行動する蛾が多くそれらは羽を広げて休み、昼行動する蝶は羽を立てて休むことが多いのは間違いないでしょう。

超音波探傷をやっている目で見ると、蝶の止まり方は超音波を当てると「コーナーでの2回反射」で、発信源に超音波が帰って来やすいかたちに見えます。

それに対して蛾の止まり方は、反射源として考えると捕らえるのが難しいなぁ、と思うのです。

Moth2 蝶と蛾のかたちをCGで作ってみました。超手抜きですが、前2つが蛾、左のが蝶のつもりです。

これを反射の視点ででみると、どうなるでしょう。CGで試してみました。

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2007年6月26日 (火)

秋田大学付属鉱業博物館(その2)

秋田大学付属鉱業博物館には、超音波に関係する展示がありました。鉱物と超音波・・・?まぁご覧ください。

Synthetic_quartz_crystal2_1 まずは人工水晶です。水晶は圧電材料の代表です。水晶の圧電性を発見したのは、J.キューリーとP.キューリーの兄弟です(1880年)。現在も水晶振動子として通信機器などに広く使われています。ソナーも医療用も金属探傷用も当初は超音波を発信するのに水晶の振動子を使っていました。

人工水晶は室蘭市にある日本製鋼所の関連会社であるファインクリスタル株式会社製造しています。

Trun 水晶の圧電効果を超音波の発信と受信に使い、実用の道を開いたのはフランスのランジュバンです。ランジュバン型振動子が展示されていました。2枚の厚い鉄片ではさむことにより、共振周波数を下げてエネルギーの高い超音波を発信することが可能になりました。第1次世界大戦でドイツの潜水艦に苦しめられていた米英仏が、その勝利を決定的にするきっかけとなったといわれています。

Langevin 現在、強力超音波を発信させているのは、ランジュバン型の改良型といえるボルト締めランジュバン振動子です。これも展示されていました。

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2007年6月25日 (月)

秋田大学付属鉱業博物館

超音波分科会の見学会として、秋田大学付属鉱業博物館へ行きました。

膨大な鉱物が展示してあります。名称(学名)・産地などが書かれているだけで、淡々とした展示です。2時間ほどの見学でしたが、特に解説をしてくれるわけでもありません。1時間ほどで飽きてしまった人が多かったのですが、私は1日いても良かったかなと思うほど楽しかったです。鉱物に関しては、ほとんど知らないのですが・・・。

Tungsten_ore タングステン鉱です。京都の鉱山のようです。日本初のジェットエンジンネ-20の開発のベースになったドイツのBMW003の図面に対する代償には、生ゴム・錫・亜鉛とともにタングステンも入っていました。国内産というより、当事占領していた南方産だったようですが・・・。

Gold_ore 金鉱です。鹿児島県伊佐郡菱刈町の鉱山とのことです。

苫小牧市の北にある支笏湖畔にも金鉱山がありました。古い地図を見ると映画館まである町があったようです。

Native_gold 自然金です。Native Goldというのですね。埼玉県の秩父鉱山

                          

           

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2007年6月24日 (日)

エキスポランド事故 ほかに亀裂が

ペアで運行されていた「雷神号」の軸に亀裂が見つかったと報道されています。

私は、以前にも書きましたが、調べればほかの軸にも疲労亀裂があるだろうと予想していました。1本だけというのは意外に少ないなという印象です。(詳細に調べたのかなぁ?)

今回見つかった亀裂のある軸と、亀裂のない軸の違いを周辺の状況を含めて現場を調べると、本当の原因が見つかるだろうと思います。

報道では杜撰な検査と叩いていますが、果たしてそうでしょうか。私は、3日間の講習で資格が与えられる「検査員」に見つけられる亀裂ではなかったのではないかと見ています。

今回見つかった亀裂は、事故の箇所と同じということです。だとすると、ナットをはずして、ねじの谷のところです。10mmを超えていて、そこが怪しいとわかっていればおそらく目視でも見つけられるかもしれません。鋼の割れはコントラストが低くて漫然と見ていたのでは大きなわれでもわからないことが多いです。

では、どのくらいの時期に、どの程度の割れがあったと予想できるでしょう。

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2007年6月20日 (水)

超音波探傷事始 航空機 航空機用エンジン

本日職場に、日本製鋼所の関連会社である日鋼検査サービス(株)の社長さんと開発担当の技術者の方が来られました。

お二人とも旧知の仲です。仕事上の話とは別に、情報交換をしたり、教えたもらったりしました。この日本製鋼所は、日本で戦後超音波探傷をフィールドで実際に適用し始めたところです。高沖さんという優れた技術者がおられたのです。高沖さんは、日鋼検査サービス(株)の初代の社長さんでもあります。日本製鋼所は特殊鋼の分野で世界に知られた企業です。

この日本製鋼所は、日本初の航空機用エンジン「室〇号」が作られたところである、ということはあまり知られていません。

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2007年6月18日 (月)

パリス則がわかるソフトウエア

パリス則(Paris Law)は、疲労き裂進展速度da/dNと応力拡大係数範囲ΔKの関係がほぼ直線とみなせる領域が現れることから、式da/dN=C(ΔK)^mであらわされます。C,mは材料定数。

疲労き裂進展速度da/dNと応力拡大係数範囲ΔKの関係をプロットしたグラフは、パリス則が成り立っていることを確認するのには良いのですが、疲労き裂進展の実体と重ね合わせて理解することは困難です。

そこで、パリス則を、繰り返し数とき裂長さの関係にして、両対数グラフにプロットするソフトウエアを作りました。公開します。

Paris 一昨日の記事へのコメントで述べた、き裂深さ2mmと10mmから20mmまで成長するサイクルをプロットした実行画面です。20mmまでを寿命とすると、2mmの時点と10mmの時点では残寿命はおよそ10倍1/10の関係にあることがわかります。

エキスポランドの事故では直径30mm強のねじ部で、2/3ほど疲労き裂が進展して、その後塑性崩壊をしているように見えます。

パリス則についてとソフトウエアのダウンロードは続きで・・・。

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2007年6月17日 (日)

天然ガス採掘場の解体

昨日勤務から帰宅途中、国道沿いにある天然ガスの採掘井のやぐらが倒れ掛かっているのに気が付きました。

Gas  車を止めてみると、解体工事の真っ最中でした。

石油資源開発株式会社(JAPEX)が1989年(平成元年)に掘り当てた天然ガス田で、現在では札幌圏から小樽までパイプラインが整備されて、日産89万立方メートルを産出(2004年度)しているとのことです。

Cimg1371クレーンがありましたから、これで吊りながらやっているのかと思いましたら、違いました。上部に取り付けられた滑車を利用して、自分自身をクレーンのアームのようにして倒れていくというやり方でした。

分解写真は続きで。その前に、ポチッと応援よろしく。

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2007年6月16日 (土)

軸の疲労破面 代表図

軸の疲労破面の代表図についてK.Hirakawaさんから、「ASM Hand book vol.11, Failure Analysis and Prevention, page 111」の掲載されているとの情報をいただいていました。

ASM Hand bookについては、カスタマー登録をすればこちらで参照できるようです。(登録は見合わせました)

インターネットで探していたら、こちらのページ(Fractography of Shafts Activity)に軸の疲労破面に関するChartを見つけました。

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2007年6月13日 (水)

ボルトの超音波探傷

エキスポランドでの事故を受けて、全国の同様の施設について、点検が実施されたとされています。探傷検査を実施して「安全を確認できた」として運転が開始されているようです。

きちんとした検査が実施されたと信じたいものです。「磁粉探傷、浸透探傷、超音波探傷」のどれをやるのか、それぞれの方法についても何を基準にしてどのような方法で行うのか検討をされて、徹底されているのでしょうか。

漫然と探傷をしていても、危険の芽を事前につむことは出来ない、という例を。

Ut1 全長250mm、直径20mmのクロムモリブデン鋼のボルトを、5MHz・振動子直径10mmの探触子で軸方向に超音波を伝搬させて探傷した例です。

ねじを切ってある部分は25mmあり、探触子から5mmの位置にコッターピンを入れる穴が開いています。

今回の事故で疲労破壊したねじの谷の部分に疲労割れがあったとしたら検出できるでしょうか。

コッターピンがなくても、ねじ山が反射源となり割れからのエコーを受信していてもSN比(信号と雑音の比)が小さくなり、探傷は難しくなります。それでも数mmの割れであれば、健全なボルトとの比較をすることで、検出が可能になるでしょう。

このケースではコッターピンの穴があります。5mmからの反射波(エコー)は5の倍数の距離に多重反射の信号が表れます。この穴からの多重反射がノイズレベルを上げてSN比は極端の小さくなっているのがわかるでしょうか。割れを見つけるのはさらに困難です。

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2007年6月10日 (日)

エキスポランド事故 破面のCG

破面写真を、画像処理して公開をすると、著作権法に触れることになる、ということです。ちょっとしっくりしないところもありますが、法律がそうなっているのであれば仕方ありません。破面は事故原因解明のための重要な情報です。私は、この事故の原因、そしてこのような事故を防ぐためのState of the art がどの辺にあるのか、見届けたいと思っています。

Expo2imagec5_1 破面の写真をスケッチして、それを元にCGを作って見ました。これなら、私の作品と言ってよいでしょう。

当然ですが、私の手が入っていますので正確ではありません。ミスもあるかもしれません。原本では見えにくかったビーチマークを強調しています。

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液体窒素の実験

昨日息子と「少年団」の例会に行ってきました。私は運転手。

以前にも紹介しましたが、学校ではやらない実験や工作をやらせてもらえるので、息子も楽しみにしています。

N25_1 今回のテーマは「液体窒素で遊ぼう」でした。息子いわく「バナナで釘を打つとか、バラの花がバリバリになるとか、ありきたりで面白くなさそう。」

実際に見たりやったことがあるのかと聞くと「ない」。ビデオで見るのと実際に体験するのとでは一味違う、と言い聞かせて会場へ。

N2 それでも、マイナス196℃の液体窒素の中で、イチゴがぐつぐつに煮え立つようになると子供たちは楽しそう。

一通りのことが終わって、指導員の方が「ほかのものを入れてみよう」と呼びかけると、息子は待ってましたとばかりに、あたりを探しましたが、めぼしいものがない。

そこで

台所用洗剤(ラップにくるんで)・釘・新聞紙・鉛筆を入れてみました。

さて、どうなったでしょう。続きでどうぞ。その前に

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2007年6月 8日 (金)

State of the art(その2)

このブログにコメントを寄せてくれるデハボ1000さんが、平川賢爾著「ドイツ高速鉄道脱線事故の真相」(慧文社刊)についての書評を掲載しました。

そこで述べられている、この書籍に向かうとき自然に「襟を正す」ことになるという気持ちは、私も同感なのです。この本を読んだのは昨年の6月でした。いつかこのブログでも紹介しようと思いながら、なかなか出来ませんでした。軽々にコメントを述べられる内容ではないと思ったからです。

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2007年6月 6日 (水)

軸の疲労破面形態

公開されたエキスポランド・ジェットコースタ事故で破損した軸の疲労破面。これをPhoto Shop で画像処理をしてみました。(画像処理した映像の掲載は当面見合わせます)

すると、破損のときに2次的に付いたであろう傷のほかに、1ヶ月の時間経過の中で破面が痛んでいる箇所がわかります。破面は生ものなのです。破面を保存して、早めに専門家に鑑定を依頼することが必要だったのです。

Fatigue_cross_sectionそれでも、見えにくかったビーチマークが見えてきています。このビーチマーク、破面観察(Fractography)の教科書に載っている分類表中の典型のひとつとほとんど同じように見えます。

軸の疲労破面形態で「片振り曲げ、鋭いノッチ(応力集中)、応力小(高サイクル疲労)」の欄にある図によく似ています。。

Hirakawa氏から、「破面から、片振りの疲労とは分かりません。」とのコメントをいただいています。(6/7追記)

しつこいかもしれませんが、なぜここに曲げの応力が繰り返しかかるのか、その要因を考えてほしいのです。

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2007年6月 5日 (火)

公開された破面の意味するもの

大阪府吹田市で起きたジェットコースター事故、1ヶ月経ってやっと破面が公開されました。

Crosssectional_shape

この写真はYOMIURIONLINEに掲載されているものです。

大阪府警が公開したようです。こういう写真に著作権があるのでしょうか。私は事故の再発防止という「公」に資するために公的機関が公開した(どこまでもパブリックな)映像に民間会社が著作権を主張することに疑問を抱いています。

さて、この破面についてですが、ライフワークとして鉄道車軸の疲労破壊を研究されていて、海外での公的な鑑定を行っているHirakawa氏がその見解を、このブログに寄せてくれています

片振り曲げ疲労で、疲労限近い低い応力でゆっくりと穏やかに進行した疲労破壊であることが、この破面から読める、これでよいとのことです。(Hirakawa氏は片振りとはいっていません。お詫びして訂正します。6/7)

後は、電子顕微鏡のレベルでストライエーションが観察できるのか、観察できれば亀裂伸展の時間経過が推定できる、という作業が残されているだけでしょう。

以前にも指摘しましたが、この破断箇所がなぜ破断するような繰り返しの曲げ応力が発生したのか、ここが問題ではないかといい続けえてきました。

この軸(ボギー軸というようです)は本体に圧入されています。圧入で本体にしっかり固定されていれば、破断箇所には曲げ応力の発生は考えにくい箇所なのです。

この件で、毎日新聞の記事に以下のようなものがありました。

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2007年6月 4日 (月)

エキスポ事故 破断箇所の写真公開だが・・・

エキスポランド事故の破断した車軸の写真が、やっと公開されました。

Exshaft この写真は6月4日に北海道新聞のニュースサイトに掲載されていたものです(6月7日現在削除されています)。でもどうして、破面そのものの写真ではないのだろう。取材した記者も、90度回してといってほしい。その破面の様子から、多くのことがわかるのです。記者も、そのくらい勉強をして取材してほしいものです。情報の価値は半減どころではないのです。

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2007年6月 3日 (日)

運動会の物理

子供たちの中学で行われた「体育大会」を見物してきました。

Taiku その中での競技「ハリケーン」。竹の棒を3人で持って走り、コーンがおいてある場所2箇所でぐるりと回ります。回り終えたら、戻って次の人たちに竹の棒をバトンのように渡すのですが、そのときに3列縦隊に並んでいる子供たちの足の下を竹の棒を通す、というルールです。

Taiku1 4クラス対抗でした。うちの娘たちのクラスは、すべての選手たちが竹の棒を受け取ると、3人が端によって走り始めます。すばやく回って、バトンタッチするときに2人の子が棒の端持ち、真ん中の子がするりと抜けていきます。

他の3クラスは、これがされていません。もちろん娘のクラスが1位。

後で娘に聞いてみると、先生の作戦とか。娘の担任の先生は理科担当。力の強い子が中側、足の速い子が外側、という配置もしていたようです。中担当の子供は、回るときにぐいと回しているそうです。

娘いわく。「先生頭いい。あれで勝てた、どう考えてもあの方法が速い」

角速度と周速度、角運動量保存の法則なんて話はまだ早い。それでも、遊び(?)の中でで豊かに知的に感じておいてほしいと思うのです。

それでも・・・・・